サリーのすべて

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861825323

作品紹介・あらすじ

平穏の象徴である我が家の空き巣らによる徹底的な破壊とともに、壊れ始める30年間の夫婦生活。ドイツ語圏でベストセラーとなった、現代オーストリアを代表する作家による傑作長篇小説。

 主人公サリー・フィンクは52歳、ウィーンのギムナジウムの教員である。夫のアルフレートは57歳で、民俗学博物館の学芸員。ふたりには3人の子どもがいるが、関係がいつも良好だったわけではない。郊外にある2人の自宅に空き巣強盗が入り、夫婦の関係は微妙に狂い始める。サリーが身体的にも精神的にも活動的であるのに対して、収集と保存と旨とするアルフレートは変化を好まない。この空き巣強盗ととも生じる大きな事件は、サリーと、彼ら夫妻の友人であるエーリクとの不倫である。
 しかし、本書の眼目は結婚生活であり、結婚生活をめぐる冒険小説とも呼びうるものだ。その大きな要因は夫のアルフレートにある。サリーとアルフレートの夫婦生活の秘密は、サリーにとっては夫がいつもそこにいてくれるという幸福、アルフレートにとっては妻がふたたび戻って来るという幸福にある。読者としては、サリーとアルフレートという人物に共感、あるいは深い理解を示すことができよう。

感想・レビュー・書評

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  • 感想書いてる人は誰もいませんが、なかなか感想書きづらいというか、何を書いたらいいのか悩む本である。まず表紙の女性の足の間にある四角い模様はなんだね?とても気になる。真面目に本編。ウィーンにて生活する50代の夫婦の話。サリーは妻の名前。ほぼサリー側から見た書き方。サリーは外交的で変化を求め、常に忙しいといっては動き回る。旦那のことは引きこもりで(博物館学芸員)刺激が足りないと感じている。一章だけ旦那目線の章があり、躍動感あり滝のようであり面白かった。外見的に動の人、内面的に動の人と存在するのであった。

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著者プロフィール

Arno Geiger 1968年、オーストリア西部のフォアアールベルク州のブレゲンツに生まれる。1987年からインスブルック大学で、1990年から1993年までウィーン大学でドイツ文学、古代史、比較文学を専攻し、1993年から作家活動を開始。1997年、Kleine Schule des Karusselfahrensを刊行。1999年にIrrlichterloh、2002年にSchöne Freundeが刊行され、批評家の間で知名度が高まる。2005年、Es geht uns gutで第1回ドイツ書籍賞を、2008年短篇集Anna nicht vergessenでヨーハン・ペーター・ヘーベル賞を受賞。2011年にはその全活動に対してフリードリヒ・ヘルダーリン賞およびコンラート・アデナウアー財団文学賞が授与された。最新作は、2015年2月刊行のSelbstporträt mit Flusspferd。邦訳に、『老王の家――アルツハイマー病の父と私』(Der alte König in seinem Exil:イタ】、渡辺一男訳、新日本出版社)。

「2015年 『サリーのすべて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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