さよならアメリカ、さよならニッポン ~戦後、日本人はどのようにして独自のポピュラー音楽を成立させたか~

  • 白夜書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861919077

作品紹介・あらすじ

J-POP、その発生の起源と源流を「はっぴいえんど」を中心に解析した、
日本近代文学専攻のシカゴ大教授による、一大戦後日本ポピュラー史研究!
戦後日米間の文化的時差を埋める画期的な論考!

感想・レビュー・書評

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  • 音楽

  • タイトルがタイトルだし、装丁も装丁なので、はっぴいえんどを中心に日本のポピュラー音楽について論じた本だと思い読み進めた。しかし、それは全体の1/3程度で美空ひばり、笠置シヅ子を中心に論じた前半部の方が読み応えがあった。


    <blockquote>「よっぽど注意してきかないと、いっていることがわかんないんだ。せっかく母国語でうたうんだから、もっとスッと入ってこなくちゃ」(内田裕也)</blockquote>
    歌詞の意味を重視せず英米のロックを聴くというのは日本人ならではの特権だが、さらにそれを一捻りして"空耳"的な聴こえ重視のロックをはっぴいえんどは展開した、という論を日本語を母国語としない著者が解くという捩れの構造はそれ自体が面白い。

    が、全体的に学術論文然としていて(日本人が好むような、『ジャップロックサンプラー』で描かれたような)誤解や錯誤がないので(それ自体は素晴らしいことなのだが)、そういう意味では面白みに欠けるかなぁというのも正直なところ。


    <blockquote>YMOが1st「「コンピューター・ゲーム 」でショパン「葬送行進曲」を引用したのは、ロック・ミュージックが持つ真正さのある種のモデルが死亡したことを告げるものだった</blockquote>というのはへぇというか苦笑というか。

  • 20130417

  • 同じ出版社のジャップ・ロック・サンプラーと同様の海外の愛好家による勘違いや誤解を含む独創的な批評を期待して読み始めましたが、本書は極めてまともな内容で、丹念に資料を調査してまとめられた日本のポピュラー音楽史として読めました。 1991年以降の音楽状況は複雑すぎるので、それ以前までの内容というのも理解できるような気がします。

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著者プロフィール

シカゴ大学・東アジア言語文化研究科・教授。著書に『さよならアメリカ、さよならニッポン』(奥田祐士訳、白夜書房、2012年)、The Dawn That Never Comes: Shimazaki Tōson and Japanese Nationalism, Columbia University Press, 2003. Linguistic Turn in Contemporary Japanese Literary Studies: Politics, Language, Textuality, University of Michigan Center for Japanese Studies, 2010(編著)など。

「2017年 『川端康成スタディーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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