- Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862390790
作品紹介・あらすじ
ボイジャーオリジナルの電子書籍、待望の印刷版登場!「ゆるキャラ」とは、地域に根ざしたマスコット・キャラクターを意味します。いまやゆるキャラ関連のニュースを連日見聞きし、「ひこにゃん」や「せんとくん」などゆるキャラの存在は一般的なものになりました。その数は1200体とも1600体とも言われています。しかし、地域活性化を目的にはじまったゆるキャライベントが、ひこにゃん以降、代理店が絡むビジネスへと発展。ゆるキャラ自身もTwitterなどでつぶやきはじめ、政治的な発言からの炎上騒動もありました。ゆるキャラを上手に活用できれば、行政課題の解決やコミュニティ・ビジネスにつながりますが、一歩間違えれば担当者は責任を問われ、着ぐるみは倉庫行き。果たしてゆるキャラは自治体を助ける救世主になり、ビジネスとして成立するのでしょうか?
著者は犬山秋彦氏と杉元政光氏のライター2人。犬山氏は自身でもゆるキャラを運営し、キャラクターコンサルタントとしても活躍中。本書にその体験とノウハウをまとめました。杉元氏は地方自治の総合情報誌『月刊ガバナンス』(ぎょうせい刊)などでゆるキャラ連載を長年続け、取材を通じて現場の声を数多く聞いています。ゆるキャラに関わるプロ2人が、豊富な事例を通して、いま知っておくべきゆるキャラの活用法や意外な現状をご紹介します。
また、本書にはゆるキャラの名付け親でもある、元祖おたく・みうらじゅん氏と北海道長万部町のゆるキャラ「まんべくん」を運営するエム社の佐藤健次郎社長の独占インタビューを掲載。現時点でのゆるキャラを全方位的に語り尽くした1冊となっています。
感想・レビュー・書評
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まんべくん運営会社の社長、みうらじゅんとの対談部分がかなり興味深い。
みうらじゅんによると
今のゆるキャラはもはや本来の意味での「ゆるキャラ」では
なくなってしまっているということ。そのターニングポイントは「ひこにゃん」であり、いわば「ひこにゃん」がゆるキャラの市場価値を高騰させ、一大ブームを生みだしたという。
イケてなくて一般人にも振り向いてもらえず終いには「誰がこんなんつくったんや・・・」と呆れられるような、そんなマイナー中のマイナーキャラ、それがみうらじゅんの惚れた「ゆるキャラ」なんだろうなあ。。。
と考えると少し寂しい気もするし、仕方のないことなのかなーとも思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「本書は犬山秋彦氏と杉元政光氏のライター二人による共著です。犬山氏は自身でもゆるキャラを運営し、キャラクターコンサルタントとしても活躍中。本書にその体験とノウハウをまとめました。杉元氏は地方自治の総合情報誌『月刊ガバナンス』(ぎょうせい刊)などでゆるキャラ連載を長年続け、取材を通じて現場の声を数多く聞いています。」とは版元データ。
犬山さんの実体験が面白い。着ぐるみを作ってから、ひとりでは着られないことに気づいたとか、経験者ならではのエピソードがいっぱい。
ゆるキャラは儲からない。「好きでやってる」人たちの「自腹」と「手弁当」に支えられ、「続けて」いってやっと認知されるのだという話は腹に響きました。 -
いまや全国どんな地域でも見かける「ゆるキャラ」について徹底的に分析されている。ただのコンテンツではなく「人格」をも有したゆるキャラ。「ゆるキャラ」そのもので儲かることはほとんどなく、「ゆるキャラ」を活用して、金銭の流れでは言い表せない社会的意義を見出すことが大切。騒動を起こした「まんべくん」の生みの親・エムの佐藤氏、みうらじゅん氏の対談が興味深い。みうらじゅんは、「ひこにゃん」がターニングポイントで、「ゆるキャラ」がゆるくなくなってきている、と指摘する。共著であるが、前半部分を執筆している犬山明彦氏の文のタッチが面白く引き込まれる。