外国人労働者受け入れは日本をダメにする (Yosensha Paperbacks 34)
- 洋泉社 (2007年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862482037
作品紹介・あらすじ
「技能実習制度」とは名ばかりで、低賃金長時間労働をさせられる途上国の人々、日系人の名の下に入国が容易になったブラジルからの出稼ぎ労働者たち-。技能実習・研修生として来日したものの失踪者は後を絶たず、彼らの大半は不法就労者となり、地域の治安を脅かす。外国人労働者に、3K仕事を押し付ける日本の暗部、恥部。彼らを無定見に受け入れることは、日本の未来にも大きな影を落とす。諸外国の例もひきながら、少人口社会下でも外国人労働力に頼らない産業構造のデザインを描く。
感想・レビュー・書評
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外国人を受け入れる日本の弊害のみならず、送り出す側の国の弊害についても言及しているところは視点がするどいと感じた。
受け入れる側の弊害として一般的に言われる治安に対する不安や弊害はここでは割愛するが、当たり前なのに思いもよらない弊害があることに、本書で気付かされた。それは、
「海外から日本へ入ってきた若い労働者もやがては年をとる」
という現実である。
そこには恐らく労働力が足りなくなった日本に働きに来てもらっても、2〜3年してある程度の金を手にしたら帰って行くんだろう、という既成概念が働いていたのかもしれない。もっと悪い言葉で言えば、使い捨て、という感覚があったのかもしれない。
日本に続けて住まいたい、働きたいとなったとき、日本が国の政策として受け入れる体制が整っているか、最後まで面倒をみる意識があるかといえば、圧倒的に貧弱である。日本がこの先移民受け入れなど海外の労働力を積極的に受け入れるという時代を迎えるならば、最後までその方たちに寄り添った形の体制を構築する覚悟がなければお互いが不幸になる。
また一方で送り出した側の弊害にも言及されている。
例えば、うまく入国して働けた彼らにしてみても、物価の高い日本で思うように金が貯まらず、渡航費用として高利貸しから借りた借金が母国の家族を苦しめているという。
そしてさらに、なんとか日本で金を貯め、母国のために送金すれば、家族は浪費癖がついてしまい、帰国しても全く貯金がされていないことも珍しくないという。
送り出す側の国にしてみれば貴重で優秀な若い労働力が海外に流出することで、自国の発展に大きな弊害をもたらすということも最後に付け加えておく。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
移民の大量移入は、たとえGDP総額や企業の総売上を伸ばしたとしても、一人当たり国民所得の引き下げ要因となるという現実。ここから目をそらしてはならない。移民受け入れは絶対に失敗する。
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無責任に低賃金目当てに外国人労働者を受け入れるなという論旨は賛成だが、繰り返しが多く、論理展開もほとんど同じことの繰り返しがめだった。
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[ 内容 ]
「技能実習制度」とは名ばかりで、低賃金長時間労働をさせられる途上国の人々、日系人の名の下に入国が容易になったブラジルからの出稼ぎ労働者たち―。
技能実習・研修生として来日したものの失踪者は後を絶たず、彼らの大半は不法就労者となり、地域の治安を脅かす。
外国人労働者に、3K仕事を押し付ける日本の暗部、恥部。
彼らを無定見に受け入れることは、日本の未来にも大きな影を落とす。
諸外国の例もひきながら、少人口社会下でも外国人労働力に頼らない産業構造のデザインを描く。
[ 目次 ]
序章 シミュレーション・2050年、外国人労働者の急増で日本はこうなる
第1章 外国人労働者をめぐる無責任な議論に反論する
第2章 外国人労働者が日本経済を救わないこれだけの理由
第3章 日本人ホワイトカラーの試練と高まる社会的コスト
第4章 これが外国人労働者受け入れの実態だ
第5章 外国人労働者を送り出す国側はどんな現状か
第6章 諸外国の外国人労働者受け入れ政策は成功しているか
第7章 日本のアイデンティティを確立した現代版「和魂洋才」を目指せ
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[ 参考となる書評 ] -
外国人労働者に3K仕事を押し付ける日本の暗部。彼らの大半は不法就労者となり、地域の治安を脅かし、日本の未来にも影を落とす。諸外国の例もひきながら、少人口社会下でも外国人労働者に頼らない産業構造のデザインを描く。(TRC MARCより)