Y字橋

著者 :
  • 鳥影社
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本棚登録 : 26
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862659590

作品紹介・あらすじ

約束。刻。記憶。澱……。
忘却の淵から濾過されてくるものは苦く、また愛おしい。歳月に隠された傷から、生きて在ることの秘密が明かされる。こんな大人の小説は、佐藤洋二郎氏にしか書けない。
藤沢 周(小説家・藤沢周)

各文芸誌に掲載された6作品を収録した至極の作品集。
収録作品「Y字橋」「瀞」「光」「虹」「ガスマスク男」「かさぶた」

感想・レビュー・書評

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  • ◆人生なにもないのが幸福[評]重里徹也(聖徳大教授・文芸評論家)
    Y字橋 佐藤洋二郎著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/177263?rct=book

    Y字橋 - 佐藤洋二郎|鳥影社
    https://www.choeisha.com/pub/books/59590.html

  • 【Entertainment】Y字橋/ 20220815 / 佐藤洋二郎 / 42/948/<246/164263>
    ◆きっかけ
    ・日経書評

    ◆感想
    ・日経書評にあるとおり、昔共有してきた時間もそうだが、お互い離れて以降の共有した時間以上の積み重ねてきた時間があるからこそ、久々の再会がいぶし銀の輝きになるのだろう。実体験はないが、なんとなくどんな感情になるのか自分には分かる気がする。

    ・おそらくこの小説の良さが分かるのは、それ相応の歳を重ねてきた人なのだろう。そして、その良さがなんとなく分かる歳になってきた気がする。




    ◆引用
    ・過去と現在を無理につなげなくてもいいはずだ。

    ===qte===
    Y字橋 佐藤洋二郎著 再会がもたらす生の輝き
    2022/5/14付日本経済新聞 朝刊
    ふとした瞬間によみがえってくる記憶は甘美でありつつ、ほろ苦いものだ。それはあの時に別の道を選んでいたら違う人生が待っていたのでは、と思うからかもしれない。6編を収めたこの短編集でも、年老いた主人公は懐かしい人々と出会い、自らの来し方を振り返り、相手の人生に想像をめぐらす。時の流れは人に優しいのか、それとも残酷なのか。手だれの作家の文章はそんなことを考えさせる。
    「瀞(とろ)」は5年前に妻を亡くした初老の男性のもとへ、20歳を最後に会っていなかった幼なじみの女性から電話がかかってくる。彼女の人生に驚きつつも、物事にくよくよとしない性格が自分にも伝染したようで、主人公は心地よさを感じる。「虹」では作家の「わたし」は四十数年会っていなかった女性から、そのケアマネジャーを通じて連絡をもらう。工事現場で働きながら小説を書いていたころ、「希望の灯」となる言葉をかけてくれたのが彼女だった。
    主人公の男性たちは睡眠時無呼吸症候群をはじめ様々な病を抱えているし、登場する女性たちも乳がんや認知症を患っている。それでも彼らが久しぶりの邂逅(かいこう)を果たしたとき、その生はいぶし銀の輝きを発している。共有した時間だけでなく、それぞれ積み重ねてきた時間が背景にあるからだろう。(鳥影社・1760円)
    ===unqte===

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著者プロフィール

佐藤洋二郎(さとう ようじろう)
1949年福岡県生まれ。中央大学卒。主な作品集に『未完成の友情』『福猫小判夏まつり』『グッバイマイラブ』『神名火』『沈黙の神々Ⅰ・Ⅱ』などがある。『夏至祭』で野間文芸新人賞、『岬の蛍』で芸術選奨新人賞、『イギリス山』で木山捷平文学賞。著書多数。

「2023年 『百歳の陽気なおばあちゃんが人生でつかんだ言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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