共に変容するファシリテーション――5つの在り方で場を見極め、10の行動で流れを促す

  • 英治出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862763204

作品紹介・あらすじ

場をまとめようとして、予定調和に陥ってしまう。⇔個人を尊重しすぎて、なにも決まらない。
「前進する」ことと「共にある」ことをダイナミックに両立しつづけることで、コラボレーションの行き詰まりを突破する。
世界50カ国以上、企業から民族紛争、アパルトヘイトまで、対立する多様な人々の対話を前進させてきた伝説のファシリテーターがその極意を体系化。

感想・レビュー・書評

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  • 頭ではわかったけど、たぶんそれでは意味がなくて、体感でしかわからないことがあるんだと思う。

    場数を踏んでからもう一度読みたい。

  • ファシリテーションは動的なもの
    水平型ファシと垂直型ファシの間を行ったり来たりする→変容型ファシリテーション
    愛、力、正義が揃わないと共に前には進めない、その障害を取り除くのが変容型ファシ

    自己満足のファシリテーションになっていないか、力の押し付けになっていたいか、反省

  • 場をまとめようとして予定調和に、個を尊重しすぎて何も決まらない。
    「前進する」ことと「共にある」ことを両立する難しさ。
    まさに、よく直面する場面です。
    行き詰まりを突破するには、どうするか。
    伝説のファシリテーターが、極意を体系化してくれます。

    互いにオープンになることでしか、愛と力と正義を実現することはできない。そして、愛と力と正義を持って取り組むことでしか、共に前に進むことはできない。より良い世界をつくるための方法は、これ以外にはないのである。 ー 249ページ

  • レビューはブログにて
    https://ameblo.jp/w92-3/entry-12804882683.html

  • https://cool.obirin.ac.jp/opac/volume/913578

    多摩にもあります。

  • ・ファシリテータはグループがたどるプロセスの責任を引き受け、グループは取り組みのコンテントの責任を引き受ける
    ・グループが硬直と支配によって身動きが取れなくなり始めたら、水平型である自主性と選択の多様さに向かうように多面性に重点を置く。分裂と行き詰まりに陥り始めたら、垂直型である協調と団結に向かうために統一性に重点を置く。そして共に進む。
    ・ファシリテータは奉仕する
    ・注意を払いましょう。残りは解釈です。実践しなさい。
    ・主張することと探求すること
    ・ネガティブ・ケイパビリティ:苛立って事実や理由を追い求めることなく、不確実性、謎、疑念の中にいることができる
    ・イルカの実験
    ・ハムオムレツには、ニワトリは関与しているが、ブタはコミットしている。
    ・力と貢献:オープン・スペース・テクノロジー
    ・現代の深刻な危機を生み出しているのは、まさにこの道徳なき力と力なき道徳の衝突なのです。

  • 良書。垂直型ファシリテーション、水平型ファシリテーションそれぞれのプラス面を活かしマイナス面を回避することで、循環する「変容型ファシリテーション」を実現する。

    これまでいくつか読んだファシリテーションの本は、教育やリフレクション、組織開発などとの関連で語られるものが多かったが、それとは異なる視点が多く、あらためて「ファシリテーション」を捉え直すよいきっかけになった。

    ただ、出てくる事例が、いきなり「コロンビアの内戦終結後に敵対関係にあった関係者が同席して自国の未来について話し合うワークショップ」だったり、あるいは「多国籍エネルギー企業シェルのグローバルプランニング」だったりするのでスケールの大きさにちょっとビビるけれど。

    そして、かつて勉強会で読んでよくわからなかった「U理論」(オットー・シャーマー)と、そこに出てくる「プレゼンシング」が、ファシリテーションの文脈で説明されたら、そーゆーことかっ!ってとても腑に落ちてびっくりした。

  • 読了

  • アダム・カヘンの本、5冊目?

    どこかで読んだと思うエピソードとか、議論もあるのだけど、過去の著作も含んだカヘンのファシリテーション論の総集編、集大成みたいな感じかな?

    以前の著作で「愛」と「力」の両方必要なのだけど、それを同時にやるというより、歩くときに右、左と進むように、やっていくという話しがあった。

    それはなるほどと思ったのだけど、やや抽象的な感じだったのが、ここでは切り口を整理して、ある程度、具体的な形で説明してくれている。

    そして、この本では、さらに「正義」という要素がでてきて、「愛」「力」「正義」の3点セットで整理してある。

    「愛」と「力」で進むのはいいのだけど、その目的として「正義」がでてくるという話です。

    それはそうなんだけど、「正義」というと、人によってなにが正義か違うわけで、それが対立の原因になったりするので、この辺りは難しいところかな?と思った。

    あと、日本語で「正義」というと、わりとモヤモヤしてくるという語感もある。英語だと多分Justice。語感的には、公正というニュアンスがあるかな?公正というと少し受け止めやすくなるのだけど、それでも「公正な社会を目指そう」というとやはりモヤモヤは残るだろうな。

    結局のところ、「公正性」、一人ひとりが尊重されるみたいなところを目指して、なにかやっていくことが大事と思うものの、たとえば、アメリカだとトランプ主義みたいなところではかならずしもそういう方向ではない。そして、トランプを支持する人が国の半分くらいなわけなので、なにが公正なのかというのは悩ましいところ。

    日本に置き換えると、ジェンダーをめぐる議論、ディスコースをみると、日本での「正義」「公正」って、なんだろう、と思ってしまう。

  • 垂直でも水平でもうまくいかない改革
    両者を行き来しながら上昇させるイメージ

    心を開き、タイミングを見極め
    理解しながら仕える
    パートナーシップを大事にすることができれば
    味方は増え、前進できる

    ますます困難な複雑な課題を解決するために
    意識したいことが学べました。

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著者プロフィール

レオス・パートナーズ社パートナー。オックスフォード大学経営大学院「科学・イノベーション・社会研究所」特別研究員。過去にはロイヤル・ダッチ・シェル社にて社会・政治・経済・技術に関するシナリオチームの代表を務める。1991~92年には南アフリカの民族和解を推進するモン・フルー・シナリオ・プロジェクトに参画。以来、企業や政府などの問題解決プロセスのオーガナイザー兼ファシリテーターとして、これまで50カ国以上で活躍している。アスペン研究所ビジネス・リーダーズ・ダイアローグ、組織学習協会(SoL)のメンバー。カリフォルニア大学バークレー校エネルギー・資源経済学修士、バスティア大学応用行動科学修士。2022年には、シュワブ財団の「ソーシャル・イノベーション思想的指導者2022」に選ばれた。著書に『敵とのコラボレーション』『未来を変えるためにほんとうに必要なこと』『社会変革のシナリオ・プランニング』『共に変容するファシリテーション』(以上、英治出版)など。

「2023年 『それでも、対話をはじめよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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