関西私鉄文化を考える

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  • 関西学院大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (102ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862831163

感想・レビュー・書評

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  • パラ見したら地元のロータリーが載ってたから思わず購入。面白かった!けどなんで基調講演と一部質疑応答を削っちゃったんだよう……。質疑応答になんか違和感感じると思ったらそういうことだったのか。

  • すごく面白かった。
    色んな視点から私鉄のことを見ていて、その型にとらわれない感じがよかった。
    ~野、~台、~園等駅名の研究も面白そうだなあと思った。

  • 回送先:目黒区立中目黒駅前図書館(TY03・H01)

    「私鉄文化」を社会学の周辺で考えるとどうなるのだろうか、それも鉄道趣味とは無縁の位置で。

    映画『阪急電車』が投げかけた問いを別方向に―しかしキャンパスは沿線なので他山の石にできないという事情のある―関西学院大学の社会学の研究者たちが挑んだ力作。2011年の秋に同学で行われたシンポジウムの講演記録であると同時に、「鉄道研究」や狭義の交通社会学、あるいは鉄道事業者のビジネスモデル研究とは一線を画した素朴な疑問の数々でもあることに留意する必要があるだろう。
    本書では、キャンパスの足元である阪急電車のみならず南海電車(南海高野線初芝・北野田)や近鉄電車(近鉄奈良線学園前・けいはんな線学研奈良登美ヶ丘)、さらには国有化されたJR阪和線やJR片町線の姿も見えてくる。

    ここで考えられている「私鉄文化」は確かに社会学的なフィールド、とりわけ都市社会学や人口移動を主題化した社会学的なフィールドではあるのだが、しかしそうした現状を醸成した表象としての「私鉄経営」とイメージ作りの功罪について趣味や色眼鏡から引き離した地点で無ければ見えないものも確かに存在するのは事実である。

    だとするならば、シンポジウムにまで至るきっかけとなった金明秀氏の「有川浩さんの『阪急電車』だけど、あれってやっぱり『阪神電車』だとオシャレじゃないのかな」という素朴なtweetに真摯に答えることができていない鉄道ファンの教養能力の無さ、というのはいったいどうすればいいのか、そしてその無教養を補強するような反教養主義的な囲い込みの数々に彼らが雁字搦めになっている現状にどう向き合うか。投げられた変化球の大きさは、評者にとってはあまりにも手痛いがしかし重要な一撃である。

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著者プロフィール

金 明秀(キム ミョンス)
関西学院大学教授。博士(人間科学)。
統計データを通じて社会階層論と社会意識論に関する諸問題について取り組む。在日コリアンについてのウェブサイト「ハン・ワールド」を主宰。著書に『在日韓国人青年の生活と意識』(東京大学出版会、1997年)など。1968年、福岡県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科単位取得退学。

「2018年 『レイシャルハラスメントQ&A』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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