- Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863100428
作品紹介・あらすじ
脳のメカニズムに鋭く迫る傑作ノンフィクション。近頃、物忘れが激しいのはなぜなのか。年のせいか、それとも、アルツハイマー病のせいか。そんな不安に襲われたこと、あなたには、ありませんか?文科系読者のための"認知症研究最前線"レポート。
感想・レビュー・書評
-
サイエンス
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
加齢とともに衰えていく記憶、認知症による失われる記憶はどうしておこるのか、それを解明していく本です。解明していく、と言っても著者はジャーナリストなので、解明している学者を取材しています。ちゃんとした研究者から、ちょっといかがわしい商業主義に走っている学者、新薬のベンチャー企業、サプリメント企業の研究者と様々な取材をしています。
トマト、ブルーベリー、銀杏の葉、クロスワードパズル、イブプロフェインと、いろいろ記憶にいいといわれるものも追っていきます。決定打はなく、一番確実なのは、定期的な運動でした。
著者は父親が認知症ではなかったのかという不安を抱えながら、自ら色々なテストを受けていきます。
われわれは記憶から成り立っている。見たことの記憶、聞いたことの記憶、感じたことの記憶、過去の記憶。
学習したことの記憶(学習とはすべてが記憶なのだ)が、人格を形成する。記憶がわれわれの「自己」を維持し、決定するのだ。(だからこそ記憶力の衰えに不安を覚えるのである。)
記憶がなくなるのは恐怖です。認知症ではなくても、年とともに記憶は衰えていきます。根拠の不確かな脳トレもいいけれど、まずはちゃんと運動が必要です。