いま、子どもたちに伝えたいこと

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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863100718

感想・レビュー・書評

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  • 子供や親が自立した人間になり、人格を育てて磨くために、必要なことは3つ。
    1.時間を守る
    2.整理整頓
    3.感謝を忘れない
    それを親がやってみせる。
    PCDSS サイクルを回し、目標達成していく。

    家族経営の章で、家族タイプ分析をした結果、我が家には、もう少しルールが必要かな、と思った。

  • ネタバレありです。

    ◆母親とは
    子供を全面的に我が子を認めて、肯定し、味方となる存在。
    焦る姿を子供に見せず、その時が来るまで見守っていてくれる。
    無関心と見守るは全く異なる。子供が見守っていてくれていると感じさせることで、子供は勇気を振り絞る事ができる。
    例:オネショ
    子供はオネショしたくないので、眠る前に『どうかオネショしませんように・・・』と神様にお願いする。
    しかし、これは逆にオネショを引き起こすキッカケになる。
    良い母親は、オネショしてもいいから、安心しなさい、と
    心に余裕を与える⇒オネショしなくなる、という。

    ◆成功体験を与えるキッカケ作り
    子供は、大人からすれば、そんなことで・・・という
    些細なことが大問題として頭を悩ませることが多々ある。

    それが、一度の失敗が引き起こした自信の無さであれば、
    成功する環境を作ってあげるのが、親や教師の仕事。

    焦らず、少しずつ自信を持たせて、成功するキッカケを
    積み上げていくこと。気長に少しずつ。

    必ず本人の力で成功した、と感じさせるように配慮する。


    ◆はじめの一歩は未来を見据えることから。

    心が荒んでいる子供は、自らの過去~現在を否定している。
    まだ10代ソコソコで、これから50年以上生きていくのに
    たった10年足らずに縛られていてはもったいない。

    自分が頑張ることで、別の未来が待っているかもしれない。
    という強烈な動機付けを持たせるキッカケ作り。
    そして、その具体的な頑張る方法や選択肢を大人たちが教えてあげることで、子供は考え、前に進み始める。

    ◆忍耐力-信じて待つこと
    老人介護にインドネシアなど東南アジア系の人びとが
    人気になっているという。
    その背景には、東南アジアはゆったりと時間が流れる為、
    老人を気長に待つことが出来るという。
    老人たちは早く物事を処理出来ないことを、申し訳ないという気持ちがある為、急かされると精神的に追い詰められるが
    東南アジアの介護士は当たり前のように待ってくれることで老人たちに安心感を与えられるという。

    同じように、教師も生徒を信じて、信じて、待ってあげる忍耐力が必要である。人間は急激に成長することもあるが、大半は
    急には変わらない。少しずつ、少しずつ、成長していくことが多いので、焦らず、成長することを信じて、見守ることが大切である。

    ◆目標・目的を"書くこと"で夢を達成する
    原田メソッドという目標設定用紙に目標を描き上げることで
    やるべきこと、習慣、目標を明確にする。
    人生とは何のため?夢とは?そのためにやるべきことは?
    これらに向き合うことが人生経営だと考える。

    荒れている生徒は、自分の才能・能力・やりたいこと、未来の可能性に気付いていないだけ。気づかせるのは大人の仕事。

    大きな夢から現時点を逆算して、やるべきことや不足している能力を見つけ、クリアする方法・日程を計画する。

    これらを書き、毎日確認することで、潜在意識から変えていく。

    ◆心を閉ざした子供には忍耐強くコップが上向くのを待つ
    素直な子供には、注いだだけの教育が見について行きます。
    しかし、心を閉ざした子供には、いくら教育を注いでも
    意味がありません。閉じてしまったコップを上向けるには
    忍耐強く、見守っていることを伝え続けるしかありません。

    人としてのまず、守らせるべき3つの事、
    ①時間 ②整理整頓 ③感謝の気持ち

    ◆やってみせる教育
    子供に何かを伝えるには、やってみせることが一番です。
    やってみせても、次には子供は忘れているでしょう。
    それでも、気長に、何度も何度も繰り返すことで、子供は考えて、変わっていく。

    ◆家族経営(一番興味深い話だった!)
    家族を経営する、という考え方。

    どういう家族を作り、子供たちをどのように育てたいのか、
    その想いのすり合わせが家族を創り上げる。

    共通の質問
    ①あなたの家族の夢は?
    ②どんな家族を築こうとしている?
    ③どんな時に子供に厳しく接する?
    ④どんな風に子供を励ます?
    ⑤家族のルールは?
    ⑥そのルールは守られている?

    このような事が親子で共通認識になっているような
    家族は健全である。これは会社も同様で、社長が
    何を考えているか分からない会社はダメと同じ。

    ◆不登校の子供を学校に行かせるには・・・
    何か上手くいかない時に、
    犯人を探すのは・・・"因果論"
    色々な想いや考えが混ざり合って発生している・・・システム論

    家族とは、元の良い形を保とうする性質があり、お互いを惹きつけあう引力のようなものがある。
    それが崩れようとするとき、最も敏感な子供が何か行動を起こし、この危機を回避しようとする事が多い。
    不登校にあえてなることで、家族の結びつきを強くする。。。なんてことが現実にはありえる。

    これを防ぐには、システム論の考え方で、一人ひとりが出来ることをやってみること。何か良い行動を働きかけることで、システムが上手く回り始めることがあるから。

    一つのコツとして・・・家族は同じ世代が仲良いほうが
    スムーズに回ります。祖父母、夫婦、子供たち、この同じ世代が仲良いほど、良い家族になるらしいです。
    祖父母⇔子どもたち、のように世代を超えて仲良くしすぎるのは、破綻を招く可能性がある。

    世代間を超えて仲よすぎる⇒バラバラにしよう。
    同じ世代が仲悪いな⇒仲良くさせるキッカケを作る。

    家族全体がバラバラ⇒犬を飼うことで、共通の話題を作る。

    ◆不登校と心理カウンセラーの罠
    心理カウンセラーは不登校の生徒や家族を安心させたり
    信頼させるために、"ゆっくり進んでいけばいい"とアドバイスします。
    しかし、不登校の時間が長引くほど、解決が遠のくのは間違いありません。まず安心をもたらすためにはいいかもしれないが、カウンセラーを信頼しすぎることは良くない。

    ◆教育とは・・
    子供とかかわる"数"と"質"が重要です。
    基本的な態度やしつけに関しては絶対に譲ってはいけない。
    まあ、このくらい。。。と子供を甘やかした時、子供は成長出来なくなる。学級教育でも、少しの気の緩みから、学級崩壊が始まる。

    ◆先生と親の関わり
    先生は親としてのこれまでの苦労や、親としての人格を
    尊重して対応すること。
    必ず認めてから、問題点を指摘するように対応することで
    親も話を聞き入れやすくなる。

    ◆褒め方のパターン
    子供には適切な褒めパターンがある。
    ①視覚で褒める(花マル・賞状など)
    ②聴覚で褒める(言葉にして伝える)
    ③体感タイプ(握手される、抱きしめられる)

    ◆教育に必要な4つの要素
     ・理念教育・・・相手に思いを伝える
     ・価値観教育・・・学ぶことの価値を伝える
     ・職能教育・・・スキルを伝える
     ・態度教育・・・学ぶ姿勢、態度を伝える
    これらを通じて、人格を磨くことを最重要と考える。
    人格が磨かれた人は仕事でも良い成果を上げることが出来る。

    ◆成長するルーティーン
    ①Plan・・・計画する(書く習慣が大切)
    ②Check・・・心を綺麗にする
    ③Do・・・心を強くする(決めたことを毎日する、習慣)
    ④See・・・心を整理する(日記など)
    ⑤Share・・・誰かの為に何かをすることで、相手を喜ばせる経験をつませる

    ・いじめは脳にダメージを与える。
    脳の脳幹という、眠ったり呼吸したり、といった生きる為に最も重要な部分を制御している部分です。
    いじめをウケることで、脳幹にダメージをウケることがわかっている。つまり、いじめを受けて、脳幹にダメージをうけた子供は生きる活力を失い、自殺に向かうのは、仕方の無いことだった。

  • 以前から尊敬する熱血先生の著書。命懸けで生徒と向き合う愛。

  • 教師塾でお世話になっている原田隆史先生の本。
    最近、本を読む習慣が弱くなってきている。
    読みたい本があると一日5分それを読むだけで毎日の生活にハリが出る。

    最近、並行して読んでいた本たちが一段落ついてそのような本がなかったので衝動買いで近くの本屋で買いました。

    流し読みなので、またきちんと読みますが、
    印象に残ったのは四つ

    1.自分が変わらないと、どこにいっても一緒
     「目先のものを変えるのではなく、自分を変えなさい。あんた自身が変わらなかったらいくら仕事を変えても同じことや。いつかまた、そこから逃げることになるよ。」

    2.厳しくするためには理想イメージがあり、譲れない一線を確定した上で、一線を越えさせないこと
     厳しくするとはどういうことなのか。まず前提として、その人間にどうなってほしいのかという思いがなくてはいけない。~中略~道を外れないように指導していくこと。日常的に厳しくする必要はない。ただし、道を外しそうになった時には、どんな厳しい言葉を使ってでも修正してあげる。
     厳しさとはつまり、社会の厳しさを教えること。社会で通用するように自立させること。

    3.長所と短所の割合は変わらない
     長所と短所は常に、50対50である。長所が増えることも短所が減ることもない。
    長所は短所にもなりえるし、短所は長所の芽でもある

    4.大人が見本を見せる。背負う、本気を伝える
     自分が責任を背負う潔さ、親や教師に本気の思いを感じとった時、子どもは新しいスタートを切ることができる

     どれも実体験に基づく実際の話しなので説得力を感じます。
    教師塾に属していることだけで満足するのではなく、きちんと教師塾の考えを広められる実践を作っていきたいと思いました。

    やっぱり理想を持って、本気を伝える ことが大切だと感じました。

    この本との出会いにも感謝。

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著者プロフィール

同志社大学免許資格課程センター・同志社大学大学院総合政策科学研究科教授。1982年、同志社大学工学部卒業。1984年、同志社大学大学院工学研究科修士課程修了後、1989年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専門は図書館情報学。主な著書・論文に、『図書館情報学を学ぶ人のために』(編著、世界思想社、2017年)、『情報倫理――ネット時代のソーシャル・リテラシー』(共著、技術評論社、2014年)など。

「2017年 『ゲームの面白さとは何だろうか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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