本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863101470
作品紹介・あらすじ
日露戦争講和の翌年、加藤完治は帝大に、東宮鐵男は旧制中学に入学する。加藤は農業の道を志し、東宮は軍人の道を志す。昭和初年、大恐慌と冷害にあえぐ日本の海彼に満蒙の曠野が広がっていた。満蒙開拓移民をめぐって、二人の人生はクロスする-。
感想・レビュー・書評
-
著者は日経新聞のOB(元経営陣)の方です。本書も、きっちりとした取材にもとづいて書かれていると感じられる内容です。
まだ下巻を読了していませんが、本書は戦後、厳しい批判に晒された人々の名誉回復を図るという意図もある様に感じます。しかし、本書を読むと、張作霖爆殺事件にしろ、満州事変にしろ、事件を主導した当事者たちが、大きな嘘をついたことが明白になっています。かかる嘘は張作霖爆殺事件では天皇陛下におかれても不興であったものと思われます。さらに、満州への移民の募集においても、明らかな嘘をつきながら性急に実行し、現地の実態も伝わらずに応募した人たちの人生を変えていったことがうかがわれます。
著者が描く様に、当事者達は真摯で無私な人間であったのかもしれません。しかし、嘘をつき、真実をまげて、既成事実をつくっていくという手法を、反省もなく何度も用いた人々に対して、真実を伝えることを生業とするマスコミを代表する著者が、きっちりとした評価もせず、援護をするかの様な文章を書くのは摩訶不思議です。
真実を伝えないのは、悪いことのはずなのでが。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全2件中 1 - 2件を表示