おべんとうの時間

  • 木楽舎
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本棚登録 : 874
レビュー : 147
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240223

作品紹介・あらすじ

おべんとうハンター阿部夫婦が全国各地でみつけた家族のおいしい物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「日本中を回って手作り弁当の写真を撮る」という発想が素敵だ。

    「母や父、妻や夫、子ども、また友人や恋人が作ってくれたおべんとう、そして、そのおべんとうを食べる人たちを通して、その向こう側にあるものを見たかった。」p.5

    「カミさんが作ってくれたありふれた弁当が、ある日突然、スポットライトを浴びてしまう。『弁当の思い出は?』なんて質問されて、みな慌ててしまうのだ。その時間が、何とも言えなかった。カミさんの玉子焼きから、母親の作ってくれた玉子焼きへと話題は広がり、母の甘い玉子焼きをその人が思い出す時、ふわっと彼を取り巻く空気が変わる。お弁当の力を感じる瞬間だ。」p.41

    お弁当の力を感じる瞬間がぎゅっと詰め込まれたフォトエッセイ。

  • ANA機内誌『翼の王国』の連載をまとめたフォトエッセイ集。夫がカメラマン、妻がライターの阿部夫婦が全国各地の手作り弁当を二人三脚で取材。海女、釣り堀経営、素麺職人、高校生、猿まわし、営業マン、大学教授…手作りのお弁当を食べながら語られたのは、お弁当箱には詰めきれない物語だった。

    見開きページの右側に、職場に佇む人物、左側にその人のお弁当の写真。ページをめくると、右側にお弁当をほおばる写真、左に人物が語ったお弁当にまつわる話。お弁当にまつわる話と言っても、仕事、家族、思い出など、話はどんどん広がっていく。皆それぞれお弁当が違うようにどれ一つ同じ話はなくて、それがとてもおもしろく、1ページだけではなくもっともっと読みたい、話を聞きたいという気持ちになった。

    印象に残ったのは、生命保険会社の営業のおじさんの話。お弁当は30年近く奥さんに作ってもらっていると言う。「弁当の中身のことは、なにも言いません。うん、それはもう言わないことにしてる。もし嫌なことを言われたら、作らないよね、やっぱり。弁当ってふたりで食べるものだと思うんです。作る人と作ってもらう人のふたり。作ってくれる人の気持ちは伝わるから、ありがたいなぁって思います。そしたら、なにも言えないです。」作る人の気持ちはお弁当と共に、作ってもらう人のそばにいるのかな、と思い心がじんわり温かくなった。どんなお弁当であっても「作ってくれる」ということ自体が大切で、ありがたいこと。作る人の思いやりと、作ってもらう人の感謝という気持ちのやり取りが、お弁当には存在するのだと感じた。

    ふと、私自身、高校生の頃は毎日母親にお弁当を作ってもらっていたことを思い出した。一度だけ、お弁当を食べようとしてうっかり箱ごと床にひっくり返してしまったことがあり、その時の母に対するすごく申し訳ない思いだけはとてもよく覚えている。母は仕事をしていたが忙しくても毎朝お弁当を作ってくれていて、やはり当時の私なりに母に感謝していたのだと思う。

  • 先に「2」を読んでいたから、早く読みたかったの。
    両方とも図書館で借りて読みました。

    またまたいろんな人生を垣間見る事ができて、ほんわかします。

    全国各地の方が紹介されてるから、
    東北とか沖縄の言葉もそのまんまだったりすると読むのも楽しい。
    だいたいは標準語だけど。

    お弁当もそうだけど、職業もいろいろあるんだな~って思います。

    とっても面白い本なんで、オススメです。

  • 疲れてるとき、落ち込んだときにおすすめ。ほっと落ち着いて、じんわりと元気をもらえる本。
    人のお弁当見るのってなんでこんなに楽しいんだろ。グルメ的にもだけど、その人の仕事や家族との関わりが垣間見れちゃうからなんだろうな。

  • 人様のお弁当メニューを知りたくて手にした本だけれど、それぞれに添えられた文が思いのほか読み応えがあった。

  • お弁当写真集。
    空腹時に読むべからず。
    ※レシピ本ではありません

  • いい本だった。どのお弁当もすごくおいしそう。職業や生きざまが垣間見れる文章も、お弁当の魅力に拍車をかけている。普段からの何気ない食事がどんなに大事か、考えさせられる。

  • 不思議なことにどのお弁当からも、それがたとえ茶色一色でも、お弁当レシピ本からは感じられない温かいものが感じられた。
    おにぎり一個でもとても美味しそうだし、幸せな気分になる。

    文章も方言そのままで、話があっちこっち飛んだりするのもそのままなのが良い。
    自分が直接その方のお話を聞いているような感じ。

  • いろんな人にインタビューを申し込み、いろんなお弁当をひたすら納めた本。ANAの機内誌『翼の王国』内のエッセイをまとめなおして書籍化したもの。

    まず構成がいい。見開き右側にインタビューした人の写真、左側におべんとうの写真。単純においしそうなお弁当だなと思ったり、この外見にしては意外なお弁当と思ったり。。想像がかき立てられる。

    そしてページをめくるとインタビュー内容が書かれている。この文章がまたいい。短文によるテンポよい文章で、お弁当につまったそれぞれの日常が描かれている。ああこの人はこういう思いで毎日お弁当つくっているのか〜とか、このお弁当にはこういう意味があったんだ〜とか。

    インタビューをふまえてもういちど見開きの写真に戻ると、最初の印象とはまた違って見えるから面白い。
    という1つぶで2度おいしい見方をして、より楽しめた。

    お弁当とは毎日のことで、ありふれた日常のひとコマ。でもだからこそ、改めて見つめ直してみると、お弁当にはそれぞれの人にとって大切な思いや時間がつまっている。そう思った。
    ふと「おいしそう」と思って買った本だが、思わぬ産物となった。

    日々のごたごたで、気分が落ち込んでいる人は是非読んでみてください。

  • 読んでるうちに笑顔になる、すごく愛情が詰まった温かい本。『翼の王国』からのファンです◎この作品の影響で、母が作ってくれるお弁当をたまに写真に撮ってたりします。気になるおかずはレシピを聞いたりも。この作品のおかげで身近な優しさに気付けた気がします。素敵な本です◎

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プロフィール

1963年東京都生まれ。
国立館山海上技術学校を卒業後、気象観測船「啓風丸」に機関員として4年乗船。
その後、シベリア鉄道で欧州の旅に出て写真に目覚める。
東京工芸大学で写真を学び、立木義浩氏の助手を経て、'95年よりフリーランス。
お弁当好きが高じて、2000年より日本全国を回って手作りのお弁当と食べる人のポートレートを撮影。
2010年の写真展「ニッポンチャチャチャ」では、全国のキヤノンギャラリーにて約120名のお弁当とポートレートをモノクロ写真で展示。
2011年からはNHK「サラメシ」にてお弁当ハンターとしても出演中。著書に『おべんとうの時間』『おべんとうの時間(2)』『おべんとうの時間(3)』『おべんとうの人』(木楽舎)、共著で『アンソロジーお弁当』(パルコ出版)。

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