ない世界

著者 :
  • 木楽舎
3.11
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本棚登録 : 142
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240667

感想・レビュー・書評

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  • 何かがあることで何かを失っている。裏返せば何かをなくせば何かを得ることができるということでもある。本書は「ないの世界」を実践した著者の記録。まずはケータイのない世界。スケジュールは意外と記憶していたことが分かった。SNSは追いかけなくなったら気にならなくなった。調べるより考えるようになった。ないの世界のポジティブな面を表出させる。この後、お酒のない世界、怒らない世界、毛のない世界、青のない世界、終わりのない世界など、1か月単位で一年続く。いずれも深くいいところを突いている。逆境を順境に変える発想の転換を学んだ。

  • ない世界に1年間住んだ著者の話。

    ○○がない世界を自分で考えて体験してみるのは楽しそう。○○がないことについてよく考えれるから。
    以下、各○○がない世界への感想、面白かったところのみ

    携帯がない世界
    →目的と記録するが逆転している
    共感。料理をして食べるよりインスタグラムに写真を載せてちゃんと料理をしていると示すことが大事に思っていることあり(自炊しなくはならんけどやる気は薄れそう)
    怒らない世界
    →怒ることを避けることでなく怒ること以外で問題解決する
    これはぜひ試してみたいけどむずそう!
    青がない世界
    →自分自身のイメージを変えたい時に良さそう
    飽きない世界
    →飽きるまでの時間が人生
    そう思うと、飽きないようにライフステージなんてものがあったりするかも(本来の意味ではないやろうけど。)最近20代終わりになって美容とかこだわりだして歳とりたくないなあなんて思ってたけど、高校の時を懐かしんで戻りたくないけど戻りたいと思うように、いつか終わるから飽きずに楽しんで行けるんやないかなと思った。限定の時間だから尊いのよね。
    →練習量と反応時間の関係を表す曲線を学習曲線という。最初に緩やかに上昇し、急激に上昇したあと次第に緩やかなカーブを描いて次第に水平に。完全に理解している状況で先の展開が予測できる水平の状態が達成であり、人が飽きるということを表す。
    →積極的に変化させる世界
    私もそう思って日々を変化させてる。飽きるから。

    終わりのない世界
    →人には終わりが来ると思っていたけど、生まれたからには何かが残る、そういう意味では終わりはないのかも

  • あり。軽い語り口。よこいちになってる画像が謎めいていて時々ドキッとする。丸坊主にするはなしがよかった。

  • おもしろい。ない世界、ここでのない世界は、物質的なものだけでなく、考え方や行動もその範疇に入る。
    いろんなないを体験する筆者だが、その中で特におもしろかったのは「お酒のない世界」。お酒を飲まないことで、体調はなんだかすっきりしているものの、最終的には友人から「笑わなくなったね」と言われてしまう。筆者はそれがお酒のせいだろうか、と考えるけど、自身に置き換えてみるとお酒がなくなったらぜったいに笑いが減るだろうなぁーと思ったけど、やっぱりたしかにそうなんだろうかと少し考えてしまった。お酒がなくても笑うなと。
    「怒らない世界」も筆者は実践しますが、ほんまにそんなんできるんかい!というのが率直な感想。
    2016.9.29読了 図書館

  • 新しい考え方や刺激を得るのに参考になる本。

  • 雑誌の連載をまとめたもの。著者が普段接しているものが「ない」世界を体験していく。
    携帯、髪の毛、怒ることなどなど…普段自然と生活に馴染んでしまっているものをなくすことで、新しい世界観に出会ったり、もう一度その必要性に気づいたり。自分達の住む世界を、よりビビッドに体験できた気がします。エッセイとして面白い。

  • 当たり前のように身近にあるものや無意識のうちに行っている行動、染みついてしまっている考え方を、一つずつ選び出して、自分から敢えてなくしてみる。12ヵ月の「ない世界」によって自分はどう変われるのか。
    それとも何が残るのかその記録集です。そして「ない生活」をしてみて感じたことは、「ない世界」とはつまり「ないものについて深く深く考える世界」のこと。参考にさせていただきます。

  • ケータイ、お酒、怒らない、毛、青、行きつけ、名字、明日、飽きない、断らない、写真、終わりのない世界。

    自分の行動の中からなくすこと。月ごとに、半月くらいが限度、現代人の脆弱さ。なくせるものを探すのも難しいみたい。

  •  いつも新しいものを見つけ、新しい場所をつくる、そんな江口さんが「なにかをなくしてみる」事で自分を再発見していくエッセイ。なにかを無くしてみても、なんだか淡々と飄々としてみえるところが江口さんらしい。

     結構、なにかが無くても何事もなく日々が過ぎていくのですが、私が本書でハッとさせられたのは「飽きない世界」と「写真のない世界」。「飽きない世界」は、江口さん(書店「ユトレヒト」店長)には無くてはならない読書について。ひとはどんなに好きなものでも絶対にいつかは飽きる。本が好きで本屋になったのに、本に、読書に飽きてきてしまっている自分を感じてしまった。じゃあ飽きないためにはどうすればいいのか。そこで彼が企画したイベントが、現在、各地に広がりを見せている朗読イベントではないでしょうか。

     そして 「写真のない世界」。子供も生まれ、SNSもやっていると、ついいつも何かしら写真を撮ってしまう。そうそう。まさに自分もそう。でも、それをやめてみる。自分の目に見えた素敵なものを、写真に撮らずに文章だけで説明してみる。写真と違って簡単にイイネ!は付かない。でも、それってとても素敵。

     なにかを無くして代わりに見えたもの、得たもの。ほんのちょっと生まれかわった感じ。
     

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