- Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863274983
作品紹介・あらすじ
人はなぜ都市をつくるのか。本書は、広島市を流れる太田川と対話しつつ、水辺のデザインに取り組んだ風景学創始者とその弟子たちの記録であり、まちづくりの冒険譚である。
感想・レビュー・書評
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そう、こういうことがやりたかった、こういうことを考えて生きていきたかったんだと思った。
都市の系譜と背景を調査し、どう連携した計画を作るか、何が都市と川の間で必要か。そういう思考のために何を調査検討したらいいか、の参考にもなった。良書、必読書と思えた。
始めにちゃんと、近世以降の広島という都市や太田川の歴史が整理され、それがそのあともベースになっているのもよい。
■広島のバックグラウンド、「試み」の前提と雰囲気:
・戦前の市民は太田川のほとりの座敷で食事や歓談を至福と考えていた。※石川栄よう「人恋しさこそ都市の動機」と言っていたのだって
・慎重な社会実験を経て、水辺のまちづくりが進んだ。
・広島城を守る高めの堤防、水制の設置
・江戸期、太田川の三角州では定期的な川砂の除去「川ざらえ」が実施。市民が応援して、お祭り騒ぎになっていた
・戦後「広島平和記念都市建設法」が制定。これで国から特別な財源を得て、河岸緑地計画が復活できた(コモンズとしての水辺の使い方へ)
・太田川・山本高義事務所長(1975頃)、20、30年後のことを考えよ。そういわれた松浦茂樹が篠原修に相談し、中村良夫を紹介され今に至る(イメージマップの作成など)※新しいこと、都市の景観のためのこと、と構想したという、山本の特別寄稿がまた素晴らしい
■デザイン検討、具体のとりくみ
・法線に沿って画一的でないよう、三次元設計。
・階段をおりてみたくなるテラス。川と都市を結びつける
・1989ー 広島城跡堀川浄化事業(太田川から導水)
・2013ー 水の都ひろしま構想「つかう、つくる、つなぐ」
・住宅地での「街側からの眺め(街路の突き当たりに階段等)」
・人をおいて、形を考える。できるだけ多様な人を
・2019「ひろしま川まつり」、SUPオープンレースも
☆あと、「風景となることを目指す」というのにはハッとしたなー詳細をみるコメント0件をすべて表示