▼あらすじ
種族による階級社会が絶対の世界。
下層の狼族でありながら聖騎士に上り詰めたシグレは聖堂で出会った呪蛇(カタラ)のキリエを神の御使いと信じ込んでしまう。
シグレの抱いたほのかな恋心は、やがて抑えられない熱情へと変わる……。
描きおろしエピソード「Sign」を加えた、冥花すゐ初の獣人ファンタジー。
***
ストーリーの完全度:★★★★★
人外度:★★★★☆
執着攻め度:★★★★☆
エロ度:★★★★☆
萌え度:★★★★★
総合評価:★5.0
雑誌OPERAで1話を読んでからずっと単行本になるのを待ち侘びていた作品です。
流石に『イトウさん』を超えるインパクトはありませんでしたが、それでも十分衝撃を与えられた作品であり、『イトウさん』を初めて読んだ時のようなゾクゾク感もしっかり味わえました。
(特にシグレの「立て 剣を拾え」のシーンが好き過ぎて読み返す度にグッときます笑)
何よりストーリーが面白くてあっという間に読み切ってしまいました!
今回は現代ものではなくファンタジーもので、冥花先生お得意のダークかつエロティックな雰囲気満載のお話です。加えてどことなく耽美で背徳的な雰囲気が漂うのも良いですね。
信心深くて敬虔な騎士のシグレがキリエに出会ってから徐々におかしくなっていく様子は狂気じみており、色んな意味でゾクッとしてしまいました。
まぁ、騎士として長年真面目に生きて来たシグレを暴走させるくらいですからキリエも相当魅力のある蠱惑的なキャラクターなのですが、個人的にはキリエよりもシグレの生き様の方が気になるところです。(すみません、攻め贔屓なもので…;^_^A)
だってあのシグレですよ。神に対する信仰心だけを支えに生きてきたシグレがキリエという魔性の男と出逢い、初めて神の誓いを破る訳です。彼が今後どのように変化し、どういう形でキリエと関わっていくのか気にならない筈がないじゃないですか!
最後の方は何だかすっかり色欲に溺れてしまっていたシグレですが、発情して差し出されるがまま苺を噛み砕くシーンはかなりゾクゾクしてしまいました。何なら本番シーンより好きかも(笑)
1巻を読むにどうもキリエよりもシグレの方が厄介げなキャラクターっぽく、最後の最後でとんでもない爆弾を落としていったので2巻が非常に気になるところです。
◯を失った彼は今後どうなってしまうのか…。もしかしたら、性格も生き方もガラッと変わってしまうのかな。
とにかく1巻の終わり方がかなり不穏な感じだったので、ハピエン厨の私的には悪い方に行かない事を願うばかりです。
あ、因みにこちらの作品、読んでいてかなり吃驚した設定が一つありまして。
エロシーンで判明するのですが何と、キャラクターの性器が動物寄りなんです…!!
特に吃驚したのがキリエの性器。何と、二又なのです!
私も今まで色んな人外BLを読み漁って来ましたが、tnkが二又に分かれている設定を見るのは初めてです(笑)
調べてみたら蛇の性器って本当に二又なんですよ。(※キリエは蛇族です)
へーって感じですよね。吃驚しましたが、人外設定をしっかり活かしていて面白いと思いました。
あと、こちらは特典ペーパー情報なのですが、シグレの下半身を覆うように生えている獣の毛は童貞の証なんですって(笑)
なので次の巻では毛が無くなってるかも…?
2巻に期待大ですね!