- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863853287
作品紹介・あらすじ
【心の底から歌った〈おにぎり〉がある】
明日、生きているのか。
ぎりぎりの声があなたの扉を開ける。
(加藤治郎)
[自選短歌五首]
レジ打ちの青年ユリ根に戸惑いて何かと思いましたと笑う
きみのこともっとしにたい 青空の青そのものが神さまの誤字
コンビニに生まれかわってしまってもクセ毛で俺と気づいてほしい
生きていく 求人サイトの検索に「一人でできる」とまず打ち込んで
非正規とバイトの恋は非正規がバイトのぶんを多く支払う
感想・レビュー・書評
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著者の西村曜さんの経歴は、
1990年滋賀県生まれ
2015年短歌を始める
2016年未来短歌会入会
タイトルの「コンビニに生まれかわってしまっても」ってどう続くのか気になるタイトルですよね。答えはのちほど。
靴音高らかに歩いて、明るく生きていこうと思える気がしました。
322首の歌からキラッと光ってみえたものを選びました。
○サブウェイの店長として一生を終える他人がとてもいとしい
○きみのこともっとしにたい 青空の青そのものが神さまの誤字
○跳び箱を跳んだつもりが跳び箱に座ってそのまま大人になって
○コンビニに生まれかわってしまってもクセ毛で俺と気づいてほしい
○起きておきて、ホットケーキの日だよって朝の光がもう膨れてる
○夕立の味がするってきみは言う 異国からきたミネラルウォーター
○「花束」の手話がわからず思いきり抱きしめてみる たぶん合ってる
○レールから逸れてしまった人生も歩けば空にほら、くじらぐも
○友がみなえらく見えればいいのだが行方知れずの春の数人
○はなたば、がすべてあ音であることがうれしいと言うあなた、もあ音
○前かごを花で満たしたヤンキーの自転車が行く卒業の日よ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
きみのこともっとしにたい 青空の青そのものが神さまの誤字
西村 曜
誤字をしてしまった子が照れたのだろうか、当たり前の青空の青に、でもそれだって神さまの誤字なんだから、しりたいをしにたいと言ってもいいよねと俯いて独り言を言う子を想像した。 -
かんぜんにイントネーション「水死体」だったよいまの「恋したい」って がおもしろくて好き
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ものすごく日常を切り取るのが上手い歌人。
一首読んでみて「確かにそうかもな」となるが、普通そこを歌にしようとは思わない。日常にありふれすぎているから。
共感性が高い歌が多いので短歌歴が浅くても良いと思える気がする。 -
これはいい。小洒落た感じじゃなくてなんていうかほぅっと心に入ってくる感じの詩集。夜に窓辺で読みたい1冊。
だったんだだったんだと行く鈍行で俺はあなたが好きだったんだ -
人から借りないと興味なくて読まなかっただろうな。初めての短歌集。
思ったより楽しくよめた。好きなのは深く共感できるものと力強さを感じるもの。あとはよく思いつくなこんな表現。とか気に求めてなかった些細なことに気付かされるものが好きだった。
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めっちゃよかった
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表紙が気に食わないが好き。あーそうそうそうだよねってきもちになる。SNSやコンビニから切り取られる自己、世界観は現代的で精鋭。