花と夜盗

著者 :
  • 書肆侃侃房
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863855526

作品紹介・あらすじ

英娘鏖
はなさいてみのらぬむすめみなごろし



現世(うつしよ)のカオスにひそむ言葉の華麗な万華鏡(ミクロコスモス)

────谷川俊太郎



『いつかたこぶねになる日』などエッセイでも活躍する俳人・小津夜景。

田中裕明賞を受賞した『フラワーズ・カンフー』に続く6年ぶりの第二句集。


【収録句より】

漣が笑ふいそぎんちやくの朝

蟬生(あ)れて死んで愛してゐた時間

莨火(たばこび)を消して裸足の身を焦がす

香水のちがふ白河夜船かな

パピルスや死後千年の音階図

君の瞳(め)を泳ぐおらんだししがしら

かささぎのこぼす涙をおつまみに

露実るメガロポリスよ胸も髪も

逃げ去りし夜ほど匂ふ水はなく

後朝のキリマンジャロの深さかな

感想・レビュー・書評

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  • 初めての句集。
    短歌に比べて俳句はもっと生真面目でかたいイメージがあったけど意外と読みやすかった。
    花軍(はないくさ)などの季語にも触れることが出来て新鮮な気持ちを味わえたので、これからは句集にもアンテナはらねば。

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著者プロフィール

1973年北海道生まれ。2013年「出アバラヤ記」で第2回摂津幸彦賞準賞、2017年句集『フラワーズ・カンフー』で第8回田中裕明賞を受賞。その他、著作に漢詩翻訳つきの随筆集『カモメの日の読書』『いつかたこぶねになる日』、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者・須藤岳史との共著『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』などがある。

「2022年 『花と夜盗』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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