- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863855601
作品紹介・あらすじ
散歩を愛し、猫と一緒に暮らす詩人ハン・ジョンウォンが綴るエッセイ
雪の降る日や澄んだ明け方に、ひとり静かに読みたい珠玉の25編
オクタビオ・パス、フェルナンド・ペソア、ローベルト・ヴァルザー、シモーヌ・ヴェイユ、パウル・ツェラン、エミリー・ディキンソン、ライナー・マリア・リルケ、シルヴィア・プラス、金子みすゞ、ボルヘス……
『詩と散策』は、著者のハン・ジョンウォンがひとり詩を読み、ひとり散歩にでかけ、日々の生活の中で感じたことを記している、澄みきった水晶のようなエッセイ集だ。読者は、彼女の愛した詩人たちとともに、彼女が時折口ずさむ詩とともに、ゆっくりと散歩に出かける。
【本文中に出てくる詩人や作家たち】
オクタビオ・パス/フェルナンド・ペソア/ウォレス・スティーヴンズ/アーチボルト・マクリーシュ/ローベルト・ヴァルザー/シモーヌ・ヴェイユ/パウル・ツェラン/セサル・バジェホ/ガブリエラ・ミストラル/ヘンリー・デイヴィッド・ソロー/カミュ/源信明/ウラフ・H・ハウゲ/エミリー・ディキンソン/アンナ・アフマートヴァ/ライナー・マリア・リルケ/フォルーグ・ファッロフザード/シルヴィア・プラス/チェ・ヨンミ/金子みすゞ/ジョージ・ゴードン・バイロン/ボルヘス
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
曇った日のような静かさと温かさ。
好きな項がいくつか。エミリー・ディキンスンについての『みんなきれいなのに、私だけカンガルー』。シルヴィア・プラスについての、そして曇りの日についての『灰色の力』。『猫は花の中に』『いくつかの丘と、一点の雲』も良かった。
ほぼ毎日1時間くらいの散歩をしている私としては、「散歩から帰ってくるたびに、私は前と違う人になっている」のフレーズに、うんうんそうだよね、とうなづくことしきり。散歩はいいよ。 -
「なにも知りません」「猫は花の中に」「いくつかの丘と、一点の雲」が好きだった。
・幸せという言葉を辞書から削除してしまいたい
「幸せを目標にして生きたくない」嬉しくて悲しいことを、ただ歌おう
・心の限りを尽くしてきたから、老いたんだね
老いるのはけっして後ろめたいことではなく、心のかぎりを尽くして生きてきた結果に過ぎない
・人間とは内面と内面と内面が波紋のように広がる現象であり、いちばん外側にある内面が外面になるだけだ(略)だから散歩から帰ってくるたびに、私は前と違う人になっている
-
読み初めてすぐに、あ、好きだなと感じた。
季節を表す言葉はどれも心惹かれるけど、
冬の表現がいちばん好きかもしれない。
自分の生まれた季節だからかな。
目の前の景色がどんなに悲しく、苦しい状態で
あったとしても、それは魂の状態ではない。
見てるものがどれだけ変わっても、表層的に、
貧富の差があったとしても、
自分の魂もあなたの魂も等しく、
そこに差はない。
このような考え方の表記があったけれど、
つい目の前のことで頭がぱんぱんになる
わたしにとって、お守りのような考え方で、
迷ってしまった時、迷う自分を包むために、
この本を開きたいと思った。いい2月を過ごせた。 -
静かで優しいエッセイ。一生手元に置いておきたい。すべてがゆっくりな自分にとって、こんな風に生きている方がいるんだということだけで、勇気がでてくる。詩を読んでみたくなったし、散歩に出たくなった。
-
めちゃくちゃ透明なエッセイ。
散歩してる気持ちにも、
散歩したいような気持ちにもなる。 -
読み終えることができなかった。
読んでると絶対寝てしまう。
自分にはある意味で難解な本だった。
長期休みにでも再読しよう。 -
世界の見え方がまた変わりそうな、不思議なお散歩のような時間。金子みすゞさんの詩がよかった。真理をシンプルに語るのが詩だと感じた。
-
パオロ・コニェッティのフォンターネと同時期に読んだが、どちらも歩きながら自問自答しているところ、詩や本を引用しながら自分の中を見つめているところが似ている
-
こんな本が読みたかった