日台万華鏡

著者 :
  • 書肆侃侃房
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863855724

作品紹介・あらすじ

台湾在住で日本人の著者が、2016~2023年 にかけて“日台のあわい”で書き続けた33篇のエッセー。台湾社会や日台の文化比較、歴史的交錯から、映画やアート、ジェンダー、LGBTQにまつわる話題まで広く言及し、リアルな台湾をあわいの視点からあぶりだす。

「こんな発想をする人が国境をまたいで現れることをずっと待っていました。
複数の言語、複数の文化の中に身を置く著者が、ややこしくねじれた社会やジェンダー、歴史や文化といった様々な事象の乱反射を、未来を照らす“ひかり”に変換しようとする姿は感動的!
文化先進国台湾を知る最良の一冊にして自分たちを知るための最高の書。」
――大友良英(音楽家)

「とても信じられない!
これほどまで台湾に愛情を注いでくれる日本人女性がいたとは。 そしてなにより、台湾の人や文化を観察したこの一篇一篇の描写が、台湾人よりも台湾らしいなんて驚きだ!
ようこそ、わたしたちの台湾へ。」
――魏德聖(映画監督『セデック・バレ』『海角七号 君想う、国境の南』)


2023年5月上旬全国書店にて発売予定。


【もくじ】

はじめに どうしてわたしは台湾について考えるのか
本書の表記について

社会
1 「BRUTUS」台湾特集の表紙に台湾人が不満を感じた理由
2 移民共生先進国・台湾にみる「お手伝いさん」のススメ
3 Kolas Yotaka氏の「豊」は絶対に「夜鷹」ではない―氏名表記から考える多元化社会と文化
4 台湾は日本を映す鏡―台湾の「核食」輸入問題から考える
5 日本人はどうして席を譲らないのか?―台湾の「同理心」と日本の「自己責任」から考える
6 台湾を愛した新聞記者の死
7 なぜ台湾で「誠品書店」が生まれたのか?
8 台湾の「先手防疫」と日本の「ホトケ防疫」
9 新型コロナ問題で台湾が教えてくれたこと―マイノリティーへの向き合い方
10 まさかの時の友こそ、真の友―日本のワクチン支援、台湾人を感動させたもうひとつの意味
11 台湾に関するフェイクニュースの見分け方と台湾理解
ジェンダー
12 台湾からみえた日本の「女人禁制」問題
13 台湾LGBTQ映画からみる多様性という未来
14 「同性婚反対」に傾いた台湾社会の矛盾
15 バラの少年少女たちへ―台湾、同性婚法制化への道のり
16 日本人女優を起用した台湾のコンドーム広告に違和感を抱いた理由
17 有縁千里来相会(縁でむすばれ、千里を越えて)―台湾に嫁いだ日本人妻たちの百年

日台文化比較
18 「ショーロンポー」は台湾料理?―多文化の融合から考える台湾の豊かな食
19 「山本頭」ってなに!?―台湾で独自の進化を遂げた「男らしさ」のイメージ
20 キョンシーから台湾妖怪まで―日本視点で読み解く台湾ホラー映画ブーム
21 日本人が命をかけて食べる魚「フグ」―日・中・台・港の食文化比較

歴史交錯
22 洗骨―日本と台湾と沖縄にある生と死の間の世界
23 台湾和牛のルーツ?―千年の牛、見島ウシを訪ねて
24 日本人のバナナ好き、ルーツは台湾にあり―歴史伝える門司港の「バナちゃん節」

映画・アート・本
25 忘れたの? それとも、思い出すのが怖い?―台湾映画『返校』を観て考える、歴史への向き合い方
26 そうだ、台湾映画みよう―中国資本に侵食される台湾エンタメ界の苦境と希望
27 台湾映画の魅力―台湾のうしろ頭をみる
28 金馬奨とはなにか―近年の金馬奨授賞式をとおして考えたこと
29 80年の時を超え、台湾と日本を結ぶ一枚の絵
30 日本の民芸運動に影響を与えた台湾竹工芸
31 麗しき故郷、台湾―湾生画家・立石鉄臣を巡って
32 かつて最前線だった島の芸術祭、馬祖ビエンナーレ─トポフォビアからトポフィリアへ
33 台湾の「肖像画」描く文学

あとがき 台湾と日本、「おもろい」の万華鏡
初出一覧/主な参考文献

感想・レビュー・書評

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  • 台北歳時記 taipei story
    https://taipeimonogatari.blogspot.com/

    栖来 ひかり(@sumiki_hikari) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/sumiki_hikari/

    【試し読み】栖来ひかり「はじめに」『日台万華鏡ーー台湾と日本のあいだで考えた』より|書肆侃侃房 web侃づめ
    https://note.com/kankanbou_e/n/n5f0885d9b0e4

    『日台万華鏡』栖来ひかり|エッセイ・評論|書籍|書肆侃侃房
    http://www.kankanbou.com/books/essay/0572

  • 少し、想像していたエッセイとは違った。世代がやや高め?なのか。

  • 台湾に渡航予定があったので。ガイドブックだと食べ物と雑貨の写真だらけで、そこまで飲み食いしたり買いたい物があるわけでも無かったので、何か興味をそそるものを探すためにこの本を手に取りました。

    可愛らしいタイトルと表紙ですが、文体はお堅めで、私には読みやすかった。昔懐かしい朝日系を彷彿とさせます。社会文化系のエッセイ中心ですが、その道の専門家ではなくていまいち散漫ではありました。

    文化面では映画がお好きなようですが、私は興味がなくこの箇所は未読。逆に台湾の映像作品に興味がある方には良いのかもしれません。

    日台の歴史的経緯については、雰囲気を漂わせつつも実はきちんと触れられていませんので、別の書籍をあたるつもりです。

  • 2023年刊。お隣の国の一つ、台湾。個人的には歴史や地政学に関心が乏しいので知らない事だらけ。何を知らないのか?は、無知だから分かるわけが無い。
    台湾にも原住民がいた!(言われてみれば当たり前だが)、中華人民共和国から本格的に中国人が流れ込むのは20世紀半ば、個人的な認識としては「台湾は独立国家」だし、元々の台湾人の本音は概ね独立志向、とか。歴史的な点に突っ込み過ぎないので、何かと面白い。終盤は細々した内容になり、関心が薄れて飛ばし読みしまくってしまったが。一度は読んでおいて良い本じゃないかと思う。楽しくて仕方が無い、と言う訳じゃないが。

  • かわいらしい表紙に惹かれる
    でも内容は思ったより重い
    そんな簡単じゃないんだなと思った

  • 保守的な考えの多い東アジアの中で、台湾はなぜこれほどジェンダーギャップ指数や性的マイノリティ問題で先進的なのか

    西加奈子「くもをさがす」で描かれたバンクーバーの多様性とはまた違っていて興味深い

    おもしろかった!

  • 台湾の事全然知らないので読んでみた。何が書いてあるか思い出そうとしても記憶に残っていない。食べ物は日本時代に食べていた物が台湾風になった。発展して欲しくないと言われるが現地からしたら生活を楽にしたいから変わらない事はできない。確かに。。。

  • 台湾は知れば知るほど面白い。震災支援以降の日台交流はこちらの予想を超えて広がったが、それもまだ表面的に見られているところも感じる。
    台湾に長く住む著者は、日本がとらえた台湾も、その逆も客観的に見つめて各々の現状を考察する。よく「台湾は親日だから」と言われるけど、そう無邪気に喜んでもいられない事実も述べられているし、高度な民主主義が根つくまでの厳しい道のりやアジアで最も先鋭的なジェンダー観など、これまであまり伝えられてこなかったこともわかりやすくまとめられていて、考えが深まる。

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著者プロフィール

文筆家、道草者。
山口県出身。京都市立芸術大学美術学部卒。2006年より台湾在住。
台湾に暮らす日々を旅のごとく新鮮なまなざしで見つめ、失われていく風景や忘れられた記憶を掘り起こし、重層的な台湾の魅力を伝える。
日本での著書に「台湾と山口をつなぐ旅」(西日本出版社/2018)、「時をかける台湾Y字路 記憶のワンダーランドへようこそ」(図書出版ヘウレーカ/2019)、「日台万華鏡 台湾と日本のあいだで考えた」(書肆侃侃房/2023)がある。

「2023年 『台湾りずむ  暮らしを旅する二十四節気』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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