(2016.09.25読了)
【非戦論そのものより、予言?】
内村鑑三さまの非戦論は、「戦争反対」というより、「この国と戦うべからず」という内容である。日露戦争の当時、ロシアと戦うと負ける、という文脈。
本書は2012年当時のものであるが、現在へつながる「予言」のようなものも盛られていて、驚いた。例えば「2016年の大統領選で共和党の候補者が出てきて、中国との戦いも辞さずという態度をとる」という(現実に2016年、共和党のトランプと民主党のヒラリーが争っているが、ヒラリーが肺炎にかかり不利だとの報道がなされている)。
「安倍政権が次出てくると、中国との仲が悪くなる」という点も当たっている(2016年当時、中国が日本の海域に進出したり、北朝鮮のミサイル発射を擁護する発言をしたりしていて、安倍総理は遺憾と表明)。
その他、イスラエル問題は「(アラブの)庭がひろいからと、欧米が小屋を建ててイスラエルを住まわせたところ武力を持ってアラブと対立するようになった」というたとえを使い、イスラエル問題は最終戦争まで行くと述べる。果たしてどうか。
総括して、この10年は厳しいと述べる。2022年前後まで、ということか。
なお、クロムウェルを引き合いに出し、「純粋な政治」は「排除の原理(正しいもの以外排除)」が働くと述べる。これは、ファシズムなど政治体制にも、宗教にも同じことがいえる。
なお、幸福の科学は一貫して、これが唯一正しい宗教だとは述べておらず、これまでの宗教の「総集編」のような形をとっている。
前世に関しては「エレミヤ」という説があるが、本人は明確な答えを言わない。キリスト教では輪廻の思想が薄いらしい。