表紙見るだけでその画のクオリティ分かっていただけると思います。超絶技巧です。
「ジョジョ」の荒木飛呂彦先生も絶賛する画です。
油絵やら水彩やらそれの合わせワザやら、コラージュやらあらゆる技法を駆使しているそうです。
1コマへの描き込みは並み大抵のものではありません。
情報量が多すぎて、読むのがすごく時間かかりました。
日本のマンガのようにコマからコマへと華麗に動けるという爽快感は無いですが、画を一枚一枚じっくり見て発見する快感がありました。
この作品、物語を説明するのが難しいのです。
実際あるのか無いのか・・・
この物語の語り部は事故で首だけになってしまった巨漢ロンバックス教授。
主人公はアザラシのディエゴです。
彼がニューヨークに良く似た街「ニューヨーク=シュル=ロワール」にやってくるところから物語は始まります。
純粋無垢な彼を操って市の権力者が目指すのは、100年に一回開催される「愛のノーベル賞」受賞。
一方、悪魔はそれを阻止せんと動き出します。
ディエゴのピュアさがそうさせるのか、周りにには思惑の違う第二、第三の勢力が彼に取り入ろうと暗躍します。
(書いていても分かりませんね)
くすんだ色合いに「赤」をベタで入れるのがクセなのかもしれません、ニコラ・ド・クレシーさん。
そこここで原色の「赤」が印象的でした。
ちなみに「ビバンドム」とは仏のミュシュランタイヤの白いモコモコキャラクター。
何故それがタイトルなのかも意味があるようなないような。