長く働いてきた人の言葉

著者 :
  • 飛鳥新社
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本棚登録 : 183
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864102452

感想・レビュー・書評

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  • 目立たないが普通に、“長く働いてきた人”10人のお話。
    おもしろいのは、想像以上に「成り行き」で人生とか仕事が決まってきたということ。軽い気持ちで脱サラして喫茶店を開業したり、ほんのバイトのつもりで始めた映像編集の手伝いでプロになったり、どんな仕事を選ぶというより、巡り合った仕事とどのように向き合うかで、そこにその人らしさがでてくる。

    皆さん、楽しようと思いながら、いざ始めると真面目に仕事に取組み、いつの間にか今の仕事、長く続いていた、でも、いま、この人がここにいるのは、単なる偶然ではない。自分は特別ではなく、むしろ平凡な人生と思っている人の人生、そこには一人の人の生きざま、その人だけの人生がどっしりとある。

    ただ羨ましいのは、個人事業の方が多く、70歳過ぎてもご自分のペースで仕事を続けられていること、企業人として45年務めてきた私は愛着はしないとぷっつりと断ち切ったわけですが、いまから思うと仕事への愛が薄かったのではないかと、考えさせられます。

    私たちの生きている社会って、いつでも自分が“幸せ”かどうかの検証を迫られているじゃないですか。そんな中で、平々凡々と仕事を“長く続ける”。極端な出来事よりも、「穏やかで何事もないような時間」で過ごすことが大切なんですね。

    まあ、私も一つの業界で45年間でお世話になって、波乱万丈にも、ある面平平凡凡と、一日一日過ごしてきたようなもんですな・・・・。

  • よく世間で、「成功したかったら人の為になることを仕事にしよう」と良く聞きますが、どうして?と思って自分には響きませんでした。
    こちらの本を読んで、コンビニ店長の章でおばあちゃんのためにデリバリーしてあげましょうかと声をかけると、そのおばあちゃんが口コミで店の宣伝をしてくれたと「情けは人のためならず」の実例が示されていた。
    余り期待せずに読んだ本でしたが、過去の人の体験や心情が役立ちますね。
    エッセンスだけでは響かない、やはり肉付けする話が必要なんだと思えました。

  • これ、かなりいい本。特に新聞記者とかライターとか、人様にインタビューしてそれをまとめるという仕事を実際にやっている人は絶対読んだ方がいい。出てくるのは普通の人ばかりだが、話者の言い回しや個性をきちんと活かしながら、それでいていかに読者にわかりやすく読ませるのかというプロの技を学ぶことができる。

  • 大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
    https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/587938

  • ゆるい感じがいいですね。町弁って儲からないって言われているけど、とても必要な社会インフラですね。こういう人達の善意で社会は支えられているんだなあと感じました。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 弁護士・カフェのマスター・個人タクシーの運転手・船員・床屋さん…。
    報道されるような大きな実績を残したというような方ではなく、ごくごく普通の働く人たちへのインタビュー。
    仕事に対する情熱を語るわけでもなく、なんとな~く続けていたらここまで来たという、ゆるさが良い。

  • 自己啓発

  • タクシー運転手、航海士、理髪店…長く働いてきた人は、日々何を思っているのか。なぜそこにたどり着いたのか。まったく説教臭い159とは違う一冊。しみる。

  • 【生き方】長く働いてきた人の言葉/北尾トロ/20141231(108/282)
    ◆きっかけ
    ・?

    ◆感想
    ・長く働いてきた人の言葉には何か重い説得力があるのではないかと期待していたが、著者の言うとおりそれがなかった(インタビューの仕方が悪い?)いずれの人も成り行きででなった話が多かったが。それでも出会った仕事とどう向き合うのか、付き合い続けるのか、変えるのか等々その人ならではの人ざまがもっとも如実に表れる部分だろいう。そして、今が充実していれば、過去を大きく見せる必要がない、等身大の自分を示すことができる点で、立派だなと思う。

    ◆引用
    ・長く働いてきた人はどんなことだわりを持っているのだろうと思っていたが、実際に会うとそれほど強い意思が働いているわけではなかった。成り行きで将来のことを深く考えることなく仕事を始めるケースが多い。
    ・どんな仕事を選ぶかより、めぐりあった仕事とどのように向き合うか。そこにその人らしさが出てくる。
    ・今が充実していれば、過去を大きく見せる必要がない。

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著者プロフィール

本名、伊藤秀樹。1958年、福岡市生まれ。
小学生の頃は父の仕事の都合で九州各地を転々。東京都立日野高校、法政大学卒。 個人事務所(株)ランブリン代表。NPO法人西荻コム理事長。西荻ブックマークスタッフ。季刊ノンフィクション雑誌「レポ」編集・発行人。

「2011年 『【電子書籍版】昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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