- Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864109529
作品紹介・あらすじ
◎NHK<ラジオ深夜便>の
人気コーナー、待望の文庫化!
◎読売新聞(2/25)でも激賞!
◎明るく前向きに生きることに疲れた人へ。
病気、事故、災害、あるいは、
失恋、挫折、そして孤独……
人生における受け入れがたい現実に
直面した時、人は絶望します。
古今東西の文豪たちも
例外ではありません。
絶望に行き当たり、絶望を見つめ、
絶望の中で書き留められた珠玉の言葉たち。
本書では、そんな文豪・偉人たちの
「絶望に寄り添う言葉」から
生きるヒントを探します。
カフカ、太宰治、芥川龍之介・・・
絶望の淵で放った言葉は
どんな言葉よりも力強く、心に響く。
<文豪・偉人の名言を収録!>
カフカ、ドストエフスキー
ゲーテ、太宰治
芥川龍之介、シェークスピア
中島敦、ベートーヴェン
向田邦子、川端康成
ゴッホ、宮沢賢治など
感想・レビュー・書評
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名言と共に紹介される関係書籍も素晴らしい
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カフカやゲーテなどの言葉、人生を簡単に知ることができ、興味が湧いた。彼らに関する本も紹介されており、読んでみたいものもいくつかあった。対談形式で、人生が下降している時のことについて色々と考え方が記載されている。
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2023/07/13予約 15
だんだん気分が落ちてきたので、途中挫折… -
TEA-OPACへのリンクはこちら↓
https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00612115 -
落ち込んでいる時は、明るい曲ではなく暗い曲を聴いてしまう、それしか聴けない時もある。そんな帯の煽りに惹かれて購入。
対談形式で、ラジオを聴いているようで、話がスムーズに入ってくる。ラジオ特有の話や名言、考えが書かれていて考えさせられる。
それぞれの著名人の引用元も載っているので関連本を読みたくなる。
一番良かったのは向田邦子さんの回。
家族熱のセリフが良かった。ドラマは見たくないかも…。
・もし家族がいなければ誰も自分を特別視してくれない
・伝えないため悟られないために話す
・伝える技術ではなく伝えない技術の努力への方向性が問題
・伝わらなくて残念がるより伝えないことの方が人間関係を良くする
ベートーヴェンも、彼の音楽に対する聴き方や感じ方が変わった。
・希望を持ち続けると歪んでいく
・その人の身になって考えてみれば不可能な行動にも納得がいく、何か事情があるのではないかと考える
・難聴とは静かではない、耳鳴り、特定の音(騒音)が響く、気配がなくなり不安が入ってきて増える(精神的煩さ)
他には、ゲーテや中島敦など。
中島敦 まるで自分のことを言われているようだ
「指一本のために背や肩を失いつつないか」
※自分でメモしておいて、どういう意味で書いたか不明…。
明けない夜もある、ヒキガエルの逆境の話も良かった
・絶望にも種類があり人によって解釈が違う
・調子の悪い時にしか読めない本がある、なので積読は大事
※私の場合は嶽本野ばらと人間失格だった
・人生をあらすじで見ている、細かな部分に目が行くようになると変わってくる
※これもメモしたが… -
記録
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著名な方の、ネガティブな文書。みな、バラ色の人生ではなく、様々な出会うことに、考え、悩み、諦め、というルーチンが繰り広げられ、それを解説してくれる、といういい本でした。
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絶望は自分の地面を踏み締めるうえで有効な現実把握だと考えている
この本で紹介されている名言の多くも、自身の地面を把握する様について繊細な感覚から紡がれた言葉である、と私は解釈
その中で一際印象に残ったのはシェイクスピアがリア王で書いた台詞
「どん底まで落ちたと言えるうちは、まだ本当にどん底ではない。」
底と感じているうちはまだまだだと甘さを思い知った -
NHKラジオの文字起こし版。こんな、なかなかアイデア勝ちなラジオ番組があったんだなと思わせてくれる、深夜ラジオらしい内容。苦しいとき、絶望した時に、その救いとなるのは必ずしも美辞麗句、ポジティブなメッセージではなく、ある種の絶望を語る、真の言葉ではないだろうか。
太宰治は、どうしようもないくらい絶望して、自殺をなん度も登場させる。一方で、正面から三島由紀夫に嫌いな作家と言わしめる。ただ、ただ、美しい言葉は、マッチョの三島由紀夫に言わせると筋トレと苦労が足りないということではあるのでけれど、これだけ美しい言葉を紡ぎ出す作家の言葉は、絶望に接しながらも何かを託したような細さを感じる。それを感じながら、一方でこのラジオは、聞き流しでは頭に入らない気がしてしょうがない。
本という媒体で、文字を追っていくだけでもちゃんと読まないとわからなくなるのに、ラジオでこれをやるってのは結構すごいなと。
カフカ、シェークスピアなど名作家が並ぶが、ある意味での作品の解釈やポイントも学べる。 -
最初の方はまだ大丈夫でしたが後半につれて読むのが苦痛で投げ出したいほどでした。
自分の嗜好としては、論理的かつ資料を丁寧に引用した事実の羅列を好みます。
なので、この本は終始、頭木さんが思った視点で著名人の名言が語られるので読みながら自分に向いてないなと感じました。
名言に対しての解釈にしても、自分が想定していたものでなかったり、頭木さんのコメントで腑に落ちなかったり。ご自身の闘病や苦しかった時期を通してのコメントの場合はなるほど、と思うこともありましたが、それよりも多かったのが推測の根拠が弱く、雲を掴むようなふわふわしたコメントに不満を持つことでした。
文豪に関しては、『文豪はみんな、うつ』(幻冬舎文庫)の方が面白かったです。
ゴッホについては、原田マハさんの『たゆたえども沈まず』や『リボルバー』の方が面白く、またゴッホへの愛を作者から感じます。
ゴッホの回で思いついたのは、ここで取り上げている人たちに対して頭木さんの想いを感じないというところでした。
広く取り上げたことで浅くなり、一人一人の著名人(カフカは除くかもしれません)を深掘りし研究し尽くすというより、自分の考えに沿うものや、苦痛を和らげてくれる方向性の思考ありきで名言を取り扱っているように思えて、反発心を抱くようにもなりました。
ただ、最後のプロデューサーの方のあとがきを読んで、頭木さんというよりこの方の企画によるものとわかり、このプロデューサーの狙いが私と気が合わないということがわかりました。
私は、ポジティブでメンタルが強く、絶望しない人間というわけではありません。
希死念慮を抱き続け、若いころはメンタルを病みました。社会人経験を積んで、環境を整え、安定しても希死念慮がホルモンバランスによって消えない時に、ゴッホのことを思い、ピストルがあったら自殺してたなと思ってることに気付いた時にこのままではいけないと、超低量ピルを服用し始めました。
なので、この本の対象としては遠からずだとは思うのですが、この本は、根拠が薄い、響かない、と感じたのが正直なところです。