- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864572682
作品紹介・あらすじ
殺人罪で掴まった仕立て屋の父の冤罪を晴らすため、公妃に直訴しようとして捕まえったシシリエンヌ。彼女の処分はお付きの青年伯爵アルチュールにゆだねられる。彼女の言い分を聞いて、事件の再調査に協力してくれるアルチュールに惹かれてゆくシシリエンヌ。しがないお針子にすぎない上、公妃に対する不敬の処罰を待つ身の自分と貴族であるアルチュールでは世界が違いすぎると思う彼女に、彼は情熱的な口づけをしかけてきて!?
感想・レビュー・書評
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TLでありながらミステリとしても読み応えがあって、予想以上に面白かったです。
伯爵さま相手に萎縮することなく、仕立て屋の娘が自分の意見をはきはき言っていたのが好印象でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミステリ仕立ての身分差を超えて、というシンデレラストーリー。
ヒロインがその身分差で卑屈になることなく、むしろしんの強さがあってよかったですね。
ヒーローもそこに惚れたようですし。
その他乙女ものの王道、本人は美人と思っていないけど実は、とかきちんとおさえています。
濡れ場もシチュエーション豊富でエロくて満足でした。 -
【ネタばれ感想注意】
絵師さんとあらすじに惹かれて購入しました。
表紙に巻尺と事件の鍵を握る鋏が描かれているのが良いです。
ヒロインの実家は仕立屋を営む労働者階級です。
父親が殺人事件の冤罪で捕らえられ、ヒロインは必死の覚悟で散歩中の公妃に嘆願書を預けようと試みますが失敗に終わり捕らえられてしまいます。
その場に居合わせたヒーローは成り行きでヒロインと共に事件の真相を探る事になります。
ヒロインとヒーローのロマンス以外にも、ヒロインの父の冤罪を晴らす為に真犯人を探す…といった推理物のようなストーリーが楽しかったです。
ヒロインとヒーロー、それぞれの視点に切り替わるので、自分の意見をはっきりと口にするヒロインに引きずられ、つい失言がちになって言い争うようになってしまったり、嫉妬から冷たい態度を取ってしまう自分に戸惑うヒーローの心情が分かりやすかったです。
ヒーロー、結構独占欲が強いというか狭量だと思います。
伯爵家嫡男ヒーローと中産階級とはいえ労働者階級のヒロインなので身分違いのロマンスの筈なのですが、ヒロインは多少身分違いを気にしますが、ヒーローの方には全く気にする様子がなく、むしろ積極的にヒロインに迫る様子がいっそ清々しく逆に笑いました(笑)。
ヒロインは仕立屋の娘ですが、母親が元伯爵令嬢という身分だったからか、両親の教育方針で上流階級の娘さん並みにダンスは踊れるわ、ピアノは弾けるわで、実はスーパーヒロインだったという隠れ設定はちょっと微妙でした。
真犯人の正体とヒーローに対して抱えていた想いには複雑な気持ちになりました。
この作者さんのお話は初めて読みましたが、自分の感性とは合わないのか、表現方法というか言葉選びに「ん?」と思う所が何箇所ありました。(^_^;)
TL小説では当たり前のようになっていますが、この作品にも誤字脱字が多くあり気になりました。