【小説5巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い2」

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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864724470

作品紹介・あらすじ

青色巫女見習いとして、忙しい毎日を送るマインに朗報が届く。母親が妊娠したのだ。生まれてくる赤ん坊への贈り物として、絵本作りを開始する。一方、神殿内では慣れないことばかりで、自由に動けない。巫女としての教養を身につけさせられたり、新しい側仕えの管理に追われたり…。孤児院長しての仕事も山積みだ。相変わらずの虚弱な体も何のその、本への愛情を武器に全力疾走を続けるマインが、念願の一冊を手にする時、貴族世界への扉が開き、物語は急展開へ突入してゆく!近付く冬を前に、風雲急を告げるビブリア・ファンタジー!書き下ろし番外編×2本収録!

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。とうとう、マインの初めての本ができる。
    これは大感動だった。
    マインの貴族教育の一つ
    フェシュピールという馬頭琴みたいな楽器の練習と
    その教師となる巫女ロジーナ、
    マインのお抱え絵師となるヴィルマが側仕えに。
    図書館が荒らされ、”ブラッディカーニバル”危機により
    マイン十進分類法(笑)がもたらされる。
    巨大トロンベの討伐事件
    これで、かなりの転機となる。
    平民でいられるのも10歳までと期限がつく。
    このことにより、神官長は本格的にマインの調査
    ”夢の中”を調べる、というところで終了。

  • 本に囲まれる生活どころか、紙をつくるところから、それ以前にその道具作りから始まった、マインの活動。
    本の完成に、ついにここまで来たんだなぁと、感慨深かった。

    じーんときたのが、神官長とのエピローグ。
    すっかりこの世界になじんでいるようで、決して麗乃時代を忘れたわけじゃないのだと。

    全体的に順風満帆すぎて、やや盛り上がりに欠けた。

    貴族世界やこの世界の魔法のことが徐々に明かされ、さらなる下剋上へのステップになりそうな話。

    番外編は「青色巫女見習いの側仕え」「神殿の料理人見習い」。

  • いつも通りの神殿での日常から、中盤にかけてすごくファンタジー色が出てくる。世界観が今までと繋がってるけど別物になっていってる。
    ラストの日本の日常を(やや長いと感じるほど)見せてもらえたので、ずれを認識できたのがよかった。
    神官長のスーパーマンっぷりが際立ってて、裏でこそこそしてる神殿長とえらい差ですね。
    とうとう念願の自分の本ができたところはすごくよかった。若い工房の力をたくさん使って、若い人たちが奮闘してるところは活力みなぎってていい。

  • 思い立ったが吉日、とこの本のシリーズを何冊か入れた。この本はとくに好きで、インクづくりのところはドキドキして読んだ。この本の魅力は登場人物が多いのに、キャラクター一人一人に個性があり覚えやすいので物語を純粋に楽しめることだと思う。

  • ついに念願の本が完成しますが、失敗もあって思うように量産体制が確保できない、というあたりも現実的であるように感じます。

    はじめて貴族社会の中での神事を行う際も、平民出身であることから想像をはるかに超える差別的な扱いを受けることも、作品の世界観がよりリアルに感じられておもしろく読めました。
    とはいえ、転生物の展開通りに差別してきた貴族たちの度肝を抜くような活躍で彼らの鼻を明かす場面は、予定調和ではあるもののやはり爽快です。

    神殿内でのマインの庇護者でもある神官長との信頼関係も深まり、周囲を固める側仕えたちもマインへの忠誠心を高めていて、次回作での更なる活躍が期待できそうです。

  • エーファの妊娠で赤ちゃん向けに本を作ると意気込んで、絵本作成に取り掛かり、そのためにインクの作成、紙の切り抜きで絵本の作成
    トロンベ退治と癒やしの儀式、夢の世界を見るために神官長が同調するまで


    貴族と縁を繋ぐ際に、より良い待遇にするための教養
    なのでフェシュピールも練習しなければいけないのですよねー
    貴族の嗜みとは言うけど、周囲にいるのはロジーナにフェルディナンド様にヴィルマ
    例外ばっかでまったく参考にならないけど、それが当たり前だと思ってしまうのも仕方がないですね
    それにしても、練習時間の交渉がベンノさん仕込みだなぁと思う



    妊娠をマインに伝えるときのエーファの躊躇いの理由
    以前の時にはマインが兄弟なんていらないと言ったから
    周囲から投げかけられるありふれた言葉
    「元気な子が生まれると良いね」という言葉は、裏を返すと病弱な子は良くないという意味にも捉えられる
    どうして元気な子に産んでくれなかったという呪詛の言葉
    舞台は現代と異世界という違いがあるものの、悪意のない言葉で傷つく人もいるんですよね……

    まぁ、今のマインだから大丈夫ですけど、確かに以前のマインならそう思ってしまいますよねぇ



    子供向け聖典絵本の次の構想としてのシンデレラ
    富豪の娘が王子と結婚が非現実的とかね
    一体何のフラグだ?w
    この時点でまさか後の伏線だとは思わなかったよなぁー

    あと、妙な呪文で魔術というのも伏線ですね
    水鉄砲、コピペ その他にも作ろうと思えば新たな呪文を作れそうではある



    最初に読んだ時にはダームエルが可哀想と思ったけど
    後にフェルディナンド様からロートをすればよかったと諭されて、読者目線でも納得
    騎士としての基本行動が出来ていなかったのは、確かに処罰対象ですね


    あと、シキコーザの描写で気になったところ
    闇の神の御加護を得ていないのにメッサーでトロンベを切っているよな
    もしかして魔力が効かなかったり全てを吸収するのではなく、切ることはできるけど余計に成長しちゃうって事なのか?
    よくわからん


    騎士団に聞かせるためのシキコーザへの叱責
    神官長がマインを平民だと認めているっぽい?
    ま捉え方によっては、どんな立場であれ青の衣を身に着ける事を認められているとも取れるけど
    フェルディナンド様の事だから、どうとでも取れる表現をしただけなのか?



    書籍版だからこそ気になった、癒やしの儀式の挿絵
    マインの服に穴が空いていないんだよなー



    そして神官長との同調
    同調薬を甘く感じるのはマインが薄っすらとした全属性だからなのか、それともエーヴィリーべの印を持つ子だからなのか
    でも、トロンベの上で手の傷を治すときには魔力の反発を利用したよな?
    どうもこの辺の違いが未だによくわからん……


    やはり、ここも泣ける
    逆縁の不孝とその謝罪、母への感謝
    だからこそこの世界では家族を大事にしたいという想い
    本よりも大事に思える数少ない存在は、やはり家族なんですよね
    そして後にフェルディナンド様がこのときどう思っていたかというのを知っているが故に余計泣ける
    家族同然って重いよw



    そして、マインとの同調はこりごりというフェルディナンド様
    後にまた同調する時には、懇願の思いを込めながらする事になるんですけどね!
    長大な物語の中でのこの前フリはやはりいい!

  • P135の「パンドラー」に引っかかりました。銅版画に使う何かのようですが、Yahooで検索しても出てきません。どなたか、無知な私にお教えください。

     読書友達に相談したところ、Twitterで教えて下さった方がいらっしゃったようです。
     某銅版画工房の防蝕剤のオリジナルレシピで、パンドルと黒ニスを混ぜた?ものだそうです。
     わからない筈だ。教えて下さった方ありがとうございました。

  • スゲー!ドンドンおもしろくなっていく・・・
    転スラより面白いかも?!

  • アニメ第二期後半(第21~26章)らへん。
    ようやく異世界っぽいファンタジー展開や魔法、魔道具(使うやつ)ポーション、荒れ地の魔力再生など出てきます。しかし、麗乃、いろんな物の作り方良く覚えてるよね。インクに至っては感心する。天然酵母とか。グーテンベルクを崇めてる時点で偏執。活版印刷の最初はイソップ物語なのか?
    司書だっただけあって"デューイ"十進分類法が出てきてるところが面白かった。
    フリーダのあたりから少しずつ愛娼や花捧げ、慰み者などの表現出てきていて、小学校には検討ラインかな。ジュニア文庫化で表現丸くなるといいなぁ。

  • あ…っ、そっちに話が進んでいくの…? と、いうくらいファンタジー色の濃い展開やった。
    転生した意味(?)がようやく出てきた(??)と、いうか。

    しかし、ベンノさんにしろ神官長にしろ、マインちゃんが出会う人たちはいい人ばかりでよかったなあ。
    今回の、記憶を云々のくだりなんて特に、神官長めちゃくちゃええ人やんか、と、なってしまった。イヤ、悪い人ではないのは重々知ってたけど。

    それを言うと、マインちゃんのご家族もめちゃくちゃ理解あるし(言い方が悪いけど、ルッツのご家庭やったらマインちゃんはここまで自由にできなかったかもしれんもんな…?)、そもそもルッツという理解者が一番の味方やでなあ。

    ちゅうかルッツ…。
    こんなに神殿およびマインちゃんの手伝いばかりして、本業のダプラは大丈夫なんかとちょっと不安になるな…(笑)。

    ベンノさんやマルクとはちゃんとやってそうやけど、ダプラと(あともう一つの身分何やっけ…。ダ…ダ…ダウニ…違う…)閑話休題、同僚(?)のみんなとはうまくやってるんかな?

    ルッツのそのあたりの(うまくやってる)話も読んでみたいな。なんしかルッツ、めちゃくちゃいい。この子めちゃくちゃ好き。早くイケメンやり手商人に以下略。
    (二度目)


    さて、この巻は後半は毛色の違うファンタジー展開やったけど、前半は久しぶりの、「新しい商品の試作」やったので、そのあたりはちょっとのろのろ読んだなあ。

    ちょうどわたしが副反応にヒイコラいいながら読んだっていうのもあったけど、ここ最近、この「試作品の試行錯誤」がなくなってたので、またこれか…と、ちょっと思った(ゴメンなさい)。

    本が出来上がるという感動に向けての山場やったのに申し訳ない。
    でも、無事に本が作れてよかったねー! それは思う。よくがんばったなあ。でも、まだまだ話は続くみたいやんな。ここで終わりじゃないところに、このシリーズの底力を見た気がする。

    先の展開ももちろん気になる。即予約してるけど、どうかなー。早く続きを読みたいな。

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著者プロフィール

香月美夜(かづき みや)
小説家。1月22日生まれ。中学2年生の頃より小説を書き始め、社会人となり結婚後、子どもの世話がひと段落してから執筆を再会。2013年より小説投稿サイト「小説家になろう」で『本好きの下剋上』を公開して人気作品となる。2015年にTOブックスより書籍化され一般誌デビュー、シリーズ化される代表作になる。同作シリーズは累計100万部を突破し、「このライトノベルがすごい! 2018&2019」2年連続第1位に輝き、テレビアニメ化も決定した。

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