都市は人なり 「Sukurappu ando Birudo プロジェクト」全記録 ((LIXIL出版))

著者 :
  • LIXIL出版
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864800310

感想・レビュー・書評

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  • やってやった、という手応えだけがある。
    面白い本だ。

    美しさよりも、もひとつ前の、面白がることに彼らはフォーカスしてる。
    人が集まりより多く面白がられるその煌めきが
    美しくあるのかもしれず、そのようなものであれば
    僕らの日常も十分に美しいのであるのだと、
    遠回りに肯定するのはこの本でしか読まない読者の私だ。

    現場で単純に面白がることができた人は幸運であったと思う。

    また、歌舞伎町の中でどのように街と関わったかという記録は
    コミュニティアートの1つの形のようにも見えるが
    同程度の熱量が高円寺の道にはない。
    要するにその為に作られたのではなくて、
    歌舞伎町はたまたまそうしたほうが面白かったというだけの話で
    それが重要なんだろうと思う。



    >>
    重要なのは、互いに「傷」がつくことだと思うんです。芸術祭の整理されたアートと音楽の関係とは違って、今回のような雑多な場所では、どうしても共存したものが部分的に台無しになる瞬間がある。(p.117)
    <<

    文化的なポトラッチ。
    そもそも文化とは捧げ物だろうから、ほとんど重言かもしれない。

    >>
    溝が埋まるきっかけが面白くて、風林会館で、なぜか腕相撲大会をやることになった。そうしたら、筋肉自慢のホストたちに、Chim↑Pomの稲岡(求)くんが次々と勝っていった(笑)。それでホストたちも、「アートは高尚」みたいな認識が変わった感じがあって、「なかなかやるじゃん」と信頼してくれた。(p.119)
    <<

    ありがちなエピソードのようで、
    あまり現実世界では聞かない話のような気もする。
    っていうか、ホストは地味に鍛えてそうだよね。

  • 会田誠がこれは全人類買って読め、と本心かどうか知らないが言うので、個展会場で購入。高いので迷ったが悔いなし。たしかに必読。チンポムの仕掛けはいつも真っ直ぐで曇りなく、気取りなく、市井の側にある。街中にある。
    愛してしまう。

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著者プロフィール

卯城竜太・林靖高・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀が、2005年に東京で結成したアーティスト集団。時代のリアルを追究し、現代社会に全力で介入したメッセージの強い作品を次々と発表。世界中の展覧会に参加するだけでなく、自らもさまざまなプロジェクトを展開する。2015年 アーティストランスペース「Garter」を東京にオープンし、同時代のさまざまな表現者たちの展覧会もキュレーションしている。また、東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域内で、封鎖が解除されるまで「観に行くことができない」国際展「Don't Follow the Wind」の発案と立ち上げを行い、作家としても参加、同展は2015年3月11日にスタートした。以来、最近はさまざまな「ボーダー」をテーマにしたプロジェクトも展開しており、2017年には、メキシコとアメリカの国境沿いで制作したプロジェクト「The other side」を発表。2015年、 Prudential Eye AwardsでEmerging Artist of the Yearおよびデジタル・ビデオ部門 の最優秀賞を受賞。

「2019年 『We Don't Know God: Chim↑Pom 2005–2019』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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