柴田南雄 音楽会の手帖

著者 :
制作 : 小沼純一[解説] 
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865591552

作品紹介・あらすじ

1970年代のクラシック・シーンが蘇る!
あなたはどのコンサートを一緒に聴きましたか?

生誕100年、没後20年記念出版!

カラヤン、ベーム、バーンスタインが次々に来日し、前衛音楽が実験的精神を迸らせていた日本クラシック界全盛期の音風景を活写する!
戦後日本音楽界最大の知性が1972〜82年の約10年間、朝日新聞紙上で展開した演奏会評を初めて集成。

作曲家の「耳」には何が響いていたのか──

◇早稲田大学教授・小沼純一氏による解説付き

●本書掲載の演奏会批評より──
「聴き巧者が育たないこと、そこにも日本のオーケストラ運動の大きな問題点がある。」
──1972/9/12 東京交響楽団

「そのポーズは独特で、それは従来この種の古楽器演奏の周辺に立ちこめていた一種の事大主義を吹き払うに充分である。」
──1973/2/21 ブリュッヘン

「演奏者たちによって音になった瞬間にはじめて音楽そのものが生まれる、という印象が強いのだ。いわば作曲と演奏は一如であった。」
──1974/11/17 武満徹フェスティバル

「こうした真の完成品に接すると、日ごろわれわれが暮らしている音楽の世界を超えた、ヨーロッパ文化そのものと相対している、という実感を味わう。」
──1975/3/16 ベーム指揮ウィーン・フィル

「まるで他の指揮者たちはすべて間違っている、といわぬばかりのボリュームとテンポである。」
──1980/4/17 チェリビダッケ指揮ロンドン交響楽団

「東京の聴衆は東京のいくつもあるオケから常日ごろ、こんなに熱いサービスを受けているだろうか。」
──1981/7/28 大阪フィルハーモニー交響楽団

著者プロフィール

1916年東京生まれ。
幼時より母からピアノを習い、成城高校進学後、鈴木二三雄にチェロを学ぶとともに高校の文芸誌に音楽批評を寄せる。東京大学理学部植物学科、同文学部美術学科卒業。諸井三郎に対位法と作曲を、齋藤秀雄に指揮を学ぶ。
1946年入野義朗らと新声会を結成し主宰。1949年第1回毎日音楽賞。1957年吉田秀和、黛敏郎、諸井誠らと20世紀音楽研究所を結成。1972年一柳慧、武満徹、高橋悠治らと「トランソニック」結成。1973年「コンソート・オブ・オーケストラ」で第22回尾高賞。同年「追分節考」を作曲し、以後多くのシアターピース作品を発表。1982年第13回サントリー音楽賞、紫綬褒章。1988年勲四等旭日小綬章。1992年交響曲「ゆく河の流れは絶えずして」ニューヨーク公演。同年、作曲と文筆の両活動により文化功労者に選ばれる。
齋藤秀雄、井口基成らの「子供のための音楽教室」(後の桐朋学園音楽科)開設に参加したほか、お茶の水女子大学、東京藝術大学、放送大学などで作曲・音楽理論を講じ、後進を育てる。
作曲においては洋の東西を問わぬ宇宙的な視野に立った音楽世界を提示。放送、新聞、出版を通じて洞察と知的刺激にあふれた旺盛な評論活動を展開。
1996年2月2日永眠。享年79。

「2016年 『柴田南雄 音楽会の手帖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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