- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865591620
作品紹介・あらすじ
バロック・チェロ奏者にして
音楽界随一の名文家が滋味豊かに綴る
古楽の歓びに満ちた最新エッセイ集。
「通奏低音は時に面倒な仕事である。
しかしそれは、
込み入った過程を経て出来上がる
様々な工芸の世界にも似て、
大量生産とは違う味わいの音楽造りに
必要な理解と技術なのである。」
──「あとがき」より
バロック音楽の演奏になくてはならない「通奏低音」。
古楽がブームを経て音楽ジャンルのひとつとして定着した現在でも、「通奏低音とは何か」は正しく理解されているとはいえない。
「鍵盤楽器の隣」を定位置とし、旋律楽器にくらべて目立たず、それどころか、なんとなく簡単そうな仕事と見られがちなバロック・チェロ奏者は、常日頃どんなことを考えながら演奏しているのか──。
古楽演奏の現場から、ユーモアとペーソスをこめて伝える「通奏低音弾き」の日常。
「ジャンルを問わず、簡単そうな仕事や目立たない仕事にはいろいろと知られざる事情、悲喜交々の経験があるものだ。通奏低音もまた然り。こういう仕事をしている人、これからしたい人、また普段コンサートや録音で音楽を聴かれる方々にも、半ば裏方である通奏低音という仕事の事情を少しばかり知っていただき、楽しんでいただければ幸いである。」──「episode 1 通奏低音?」より
感想・レビュー・書評
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一芸に秀でるという言葉があるけれど、実際には、一芸に秀でる人は多芸に秀でると言って良いと思いますね。
鈴木秀美氏の経験が生き生きと描かれてあり、とても面白く読めた。特にブリュッヘンとビルスマとの二大巨匠との交流など、自分の経験と同じくする所もあり、鈴木氏の心臓の鼓動すら感じられる。
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