戦後民主主義が生んだ優生思想

著者 : 藤野豊

• 六花出版 (2021年4月20日発売)

感想・レビュー・書評

[学習院大学 法経図書センターさんの感想 · 2022年2月3日]

東2法経図・6F開架：498.2A/F64s//K

[nobuimamuraさんの感想 · 2021年9月29日]

副題に「優生保護法の史的検証」とあるように、戦前からの優生保護法の成立過程を資料から読み解いて現在の状況まで丁寧に検証されている。国会答弁や役所の資料の引用が多く読み進めていくには困難な部分もあるが、その分だけ資料としての価値はある。優生保護法が拡大解釈されて運用された事例など驚愕した部分もある。著者がハンセン病の研究もされているので、ハンセン病との関連の著述も詳しい。ハンセン病と比して、その検証作業や保障が遅れている部分についても理解が出来た。2020年から3年をかけて国会でも検証するらしいし、現在でも各地で裁判は続いており、この問題は決して終わっていないことが理解できた。

著者プロフィール

部落解放に取り組む富山県連絡会議幹事

「2009年 『近現代部落史 再編される差別の構造』 で使われていた紹介文から引用しています。」