外国人まかせ 失われた30年と技能実習生

著者 :
  • サイゾー
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866251615

作品紹介・あらすじ

あなたも「奴隷」を使っている。

外国人が働く現場を徹底ルポ!
低賃金で退屈な仕事を外国人に押し付ける「人手不足の不都合な真実」と、彼らに見限られる日本の恐ろしき未来。

Amazonランキング第1位(外国人労働者部門、2022/10/21)『ルポ技能実習生』の続編。

深夜のコンビニのお弁当工場など、目につかない場所で働く外国人労働者たち。日本人の生活の根幹を支える彼らの姿と、「外国人まかせ」の労働現場の今を書く。

これが、外国人労働者に「依存」するニッポンの現実!

<目次>

序章 人手不足の不都合な真実
深夜のコンビニ惣菜工場/技能実習制度とは何なのか/実習生の大半は農村部の若者/「出稼ぎ国」の魅力が薄れる/留学生という名の労働者/失われた三〇年の始まりに外国 人/3K業界の人材確保に外国人/人手不足現場に協働ロボット/「奴隷」さえ来てくれない国になる

第一章 建設業――失踪が多発する「送り出し不可能職種」
日本人はすぐに辞めていきます/借金を抱えたまま帰国できない/失踪者コミュニティに 多数の求人票/元失踪者実習生の奪い合い/二〇一一年から八倍以上に増加/入れ墨も四〇歳でも大丈夫/金髪で入れ墨の社長/ウーバーイーツで荒稼ぎ/失踪する実習生の約半 数は建設関係/失踪の原因は実習生自身に/太陽光パネル設置で手取り三〇万円/実習生 は「安い労働者」ではない/「背中を見て覚えろ」が通用しない/災害大国の脆弱なインフラ/普通科高校の学生をターゲットに/国交省が掲げる新3K/現場監督はベトナム人

第二章 農業・漁業――高齢化で痩せ細る第一次産業
会社が大きくなったのは実習生のおかげ/農業従事者の約七割が六五歳以上/外国籍の人口割合が全国一位の村/コロナ下の入国制限と違法ブローカー/人材の産地間リレーが必要/紹介料は三〇万円から五〇万円/二か月もしない間に全員失踪/昔は日本人アルバイ トで乗り越えた/レタスが食べられなくなる日/牡蠣養殖従事者の約八割は外国人/二〇年前から日本人は集まらない/海のない町から来日する実習生/閑散期の手取り給与は四万円/変形労働時間制で総支給は四〇万円超え/仙台より北は人気がない

第三章 縫製業――ファストファッションの台頭で瀕死の業界
ゆで卵をポケットに入れて作業/国産衣料品の自給率は二%弱/ホワイト企業の加入しか認めない/労働搾取のないフェアトレードな商品/研修手当三万円。残業代は時給三〇〇円/YouTuberと協業する縫製会社/「特定技能」の対象職種から外れる理由/お金を腹巻に縫い付けて帰国/アイドルのコンサート衣装を担当/租税条約で住民税の支払いが不要/医療用ガウンの生産現場に実習生/一人当たり約一六〇万円の賃金未払い

第四章 介護――在留資格の乱立と留学生の急増
増える介護の専門学校生/新設された在留資格「介護」/介護福祉士国家試験に約八割が合格/進学前に就職先を決める/日本語が下手でも構わない/禁断の扉と「前職要件」/他業種の実習生が介護に押し寄せた/受け入れ施設の最多は「特養」/日本人より高い給料は払えない/介護職を進んで目指すミャンマー人/一〇年先を考え、ネパールに決めた/「遠い国から来てくれてありがとう」/人材獲得に動くドイツの実態

第五章 特定技能――地方の人手不足が加速する新制度の落とし穴
新潟のスーパーに五〇人の実習生/実習生は無試験で特定技能に移行/新潟に残った同期 はいません/地方の人手不足が加速する/盛んなジョブホッピング/「#岸田政権の退陣を求む」がトレンド入り/制度の見直しが始まる

[特別対談]特定技能「バックレ」で済ます危うい制度
山脇康嗣(弁護士)×吉水慈豊(NPO法人日越ともいき支援会代表)

終章 インベスト・イン・ドラえもん
派遣社員から実習生に切り替えた/失踪率が低いフィリピン人/インドネシア人の受け入れは断念/失われた四〇年に向けて走り出す/日本の高校生より実習生/企業は高卒採用をやめる/Z世代による外国人まかせの再生産

感想・レビュー・書評

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  • 準工業地的に「住まい」がある。
    小さな、といっても数十人の行員の方たちが
    働く町工場が点在している地域である。
    10年ほど前までは、小さな村なので、
    その工場への出勤、退勤時に
    いたるところで中国語を
    耳にすることがほとんどであった。
    今は、ほぼといっていいほど、ベトナム語である。
    むろん、彼らは「働き」に来ているのであって
    その地域の住民と親しくなるために来ているのではない。
     でも毎日のように見かけ、出会う彼らの背景が
    どうなっているのかは かなり気になってしまう。
     もちろん、本書にレポートされているような状態か
    どうかは、残念ながらわからない。
     いつか(彼らと)会話ができる時のことを思いながら
    読み進めている。

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著者プロフィール

1981年生まれ。兵庫県神戸市出身。ジャーナリスト。高校中退後、建設現場作業員、アダルト誌編集者、『週 刊SPA!』(扶桑社)編集者、『AERA』(朝日新聞出版)記者などを経て、進路多様校向け進路情報誌『高卒進路』記者、同誌発行元ハリアー研究所取締役社長、NPO法人進路指導代表理事。著書に『ルポ技能実習生』(ちくま新書)、『東京を捨てる コロナ移住のリアル』(中公新書ラクレ)などがある。Twitte〈@sawadaa078〉

「2022年 『外国人まかせ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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