それからの彼女 Un an après

制作 : 真魚八重子 
  • DU BOOKS
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866470511

作品紹介・あらすじ

本書原作、ミシェル・アザナヴィシウス監督による映画『グッバイ・ゴダール!』が
2018年7/13(金)に日本公開決定!

アンヌ・ヴィアゼムスキーが
ゴダールと過ごした日々を綴った自伝的小説

五月革命に没頭するゴダールと
20歳になったアンヌの結婚生活のゆくえは──

1968年、フランス・パリ。
映画監督ゴダールとアンヌは新しく越してきたアパルトマンで、ともに暮らし始めていた。

五月革命が巻き起こり、学生や知識人によるデモ・ストライキの絶えない毎日の一方、
ベルナルド・ベルトリッチ、フィリップ・ガレル、ビートルズ、ローリング・ストーンズをはじめとする人々との出会いがあった。
幸せを感じつつも、革命に傾倒し商業映画と決別するゴダールに戸惑いを隠せないアンヌ。
二人が別れに至る決定的な出来事が起こるまでの日々が、生き生きと、そしてときにユーモラスに描かれる。

昨年惜しまれつつ亡くなったアンヌ・ヴィアゼムスキーによる、
自伝的小説『彼女のひたむきな12ヵ月』の続編。


『グッバイ・ゴダール!』
7月13日(金)新宿ピカデリー他全国順次ロードショー
主演: ステイシー・マーティン、ルイ・ガレル
監督: ミシェル・アザナヴィシウス
映画公式サイト: http://gaga.ne.jp/goodby-g/

感想・レビュー・書評

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  • 2019/3/8購入
    2021/3/19読了

  • すぐに感情を爆破させてしまう四十手前の大人気ないゴダールと、若さの持つ気ままさゆえに他者への気遣いをそれほど客観視できない、自由を希求する少女としてのアンヌ・ヴィアゼムスキー。二人の夫婦としての日々は恋人同士の延長戦上にあるのだろう、ゴダールの嫉妬はやや微笑ましいようでいて鬱陶しい。女優としての自我とゴダールの妻としての役割との板挟みの中で、やはり自由でいたいというこの時代の女性らしさの最先端である彼女の振る舞いは、ゴダールにとっては不安の種だったのかもしれない。ちょうどゴダールが政治に傾倒していく時期に差し掛かり、彼女は彼の映画への回帰を心待ちにするゆえに、二人の互いへの思いとは裏腹にすれ違いを重ねて行くのが少し悲しくもある。彼女と彼の映画への想いと同様に。しかし出てくる知識人、映画作家、セレブが豪華すぎるのは彼女自身の自己顕示欲の現れなのか?ゴダールとの日々を綴るということは彼女にとってどんなに意味があるのだろう。偉大なる映画作家ゴダールの寵愛を一身に受けたということをことさらに書き記すことは、未練なのだろうか?それとも敬愛なのだろうか?あるいは作家としての彼女は、女優としての彼女を客観視して切り離し、区切りをつけたかったのだろうか?書くことであの時代の二人を歴史として固定化し、葬り去ったのだろうか?

  • 彼女は素敵な女性だよなあ。女性ならではのしなやかさがあり、男性的な好奇心と勇気、子供のような歪んでいない素直な眼差し。それに対してゴダールのちっささ。若くて綺麗な彼女を常に傍に置いておきたい。叶わないなら彼女にも周りにも癇癪。結局彼女の外見ほど中身を重要視してなかったと思う。彼女はまだ二十歳でどんどん新しい出逢いが起こる。その度に嫉妬を露に。本編はエッセイどころか、私生活そのものが赤裸々に隠さず書かれている。その時代を生きた映画製作に関わる生きた歴史が書かれてるので、その辺が好きな人は読むべし。

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著者プロフィール

1947年生まれ。ロベール・ブレッソン『バルタザールどこへ行く』(1966)で女優デビュー。
ジャン=リュック・ゴダールと親交を深め、『中国女』(1967)に主演。同年7 月にゴダールと結婚するも後に離婚。
ピエル・パオロ・パゾリーニ、マルコ・フェレーリ、フィリップ・ガレルらの映画にも出演した。
80年代後半からは小説(主に私小説)を発表し始める。代表作に『愛の讃歌―愛さえあれば』(日之出出版)や『少女』(白水社)など。
2012年に『彼女のひたむきな12カ月』(DU BOOKS)でサン=シモン賞とデュメニル賞受賞。
2017年闘病の末に逝去。

「2018年 『それからの彼女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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