- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784866532592
感想・レビュー・書評
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「コナン」という人気長寿連載漫画及びTVアニメ、映画を通じて「平成」という変化の30年を見事に批評している。特に通信機器、ジェンダーについての章と、最終章を興味深く読んだ。
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「平成のシャーロックホームズになる」と新一が言ってしまったから、名探偵コナンというマンガは平成を反映する作品になってしまった。コナンの分析、というよりはコナンを出しにして平成と、それに繋がる令和の分析、と言う本。
名探偵コナンという作品の評論というわけでも無いし、青山剛昌という作家の研究でも無いし、平成という時代を分析する一つの切り口として名探偵コナンが解体されている、ような、いや、そうでは無くって結論にあるように、過去を認めて、世界がバラバラなままそれを認識する必要があるのかなー。
6章が読めればそれでよく、その前はそれへの振りではあるけど、それだけに読みやすい本ではあった。
こっからどう自分の人生に繋げていくか、だなぁ。ちょっと値段が高く感じたけど、面白かった。
しかし、アベンジャーズの結論のような本だったな。今ヒットする作品の最前線、と言う事なんだろうな。 -
「名探偵コナン」という平成の国民的ヒット作から、平成という時代を読み解こうとする試み。データによる動機の変遷や、ジェンダーのあり方についての分析がとてもよい。コナンを一冊も読んだことがない自分でもおもしろく読めた。
後半、多重性をキーワードに「平成」の謎を解く「名探偵さやわか」の、怒涛の思考の飛翔が楽しい。後書でそれが意図したものであることや、ある意味でこの本のメインテーマであることが明かされ、グッとくる。
繰り返し「なぜ自分が、この本を書いているのか」に言及するのがさやわからしい。ファン語りではなく、批評だからこそ物語の可能性を広げることができるんだよね。そして、それを批評などに興味がないコナンファンでも読めるような文体で書いているのもすばらしいと思う。 -
平成という時代がコナン作品にどう反映されているのか、具体的な証拠も交えつつ説得的に語られていた。最近、テレビドラマと現実のつながりが考察される機会は増えてきているように感じるが、漫画に対してもそのようなアプローチがなされているのは新鮮だった。おそらく自分が死ぬまでにコナンは完結する。いつの日になるか分からないが、筆者の推理通りになるのかどうか、見届けたい。
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意外とけっこうちゃんとしてた。
ただ最後の最後がなー。
そうなったらいやだなって予想をされてたのでもう読み返したくない。