- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784866540306
作品紹介・あらすじ
本書は、中世から現代まで、西欧の伝統にのっとってヨーロッパで作られてきた指輪を、ロンドンのヴィクトリア・&・アルバート博物館(V&A)の類稀なる2000点以上のコレクションから選んで紹介する。
指輪のルーツは、魔除けや護符、地位や身分の証明、婚約や既婚のしるし、武器などの目的から装身具として始まったといわれている。
人類の歴史を通じて、指輪は、広義の装飾美術の流行に沿って変遷してきた。さらに、指輪は単なるファッションではなく、富や地位の象徴でもあった。
本書は、指輪にまつわる800年の歴史的背景を6つの章に分け、その時代ごとの流行や技法、指輪に関わる人々の歴史をも解説している。
感想・レビュー・書評
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ヴィクトリア&アルバート博物館収蔵品から、指輪を紹介。
中世から現代までのヨーロッパで作られた指輪の歴史を語る。
第1章 1200-1500年 第2章 1500-1700年
第3章 1700-1820年 第4章 1820-1900年
第5章 1900-1950年 第6章 1950年-現在
用語集、参考文献、注、索引有り。
・ヴィクトリア&アルバート博物館収蔵品の起源
信仰から愛情まで、人心に添い身に着けられてきた指輪。
ヴィクトリア&アルバート博物館の、指輪コレクション約2000点
から、中世~現代に亘る西欧の指輪の歴史とデザイン等を
語っています。
1500年代までの、銘刻や聖者の姿に込められた信仰と治癒、忠誠等。
1700年頃までには、エナメルの使用が始まり、ルネサンスの金細工
職人たちの隆盛。大人と同様に守りと健康が込められた子ども用。
追悼に使うメモリアル・リングも登場。
1820年頃までは、ロココ~新古典主義。
可憐なジャルディオッティ・リングとギリシアやローマ風の流行。
形見の指輪と亡き人の髪を入れる技術。
1900年頃までは、モザイクや蛇。デザイン書や指導書が登場。
1950年頃までは、アーツ・アンド・クラフツ運動とアールヌーボー、
アールデコ等の様々な芸術活動の影響。
プラチナやホワイト・ジュエリーの登場と大胆で印象的なデザイン。
1950年以降は、ジュエリーはアートになり、宝石以外の素材を
使った、宝石職人たちの自由な発想が発揮されるように。
ちなみに、日本人の作品が一個紹介されています。
そして、どの年代でも共通する目的は、愛情とお洒落な装いです。
さすがに上流階級の方々の指輪が多いのだけど、
あんなに大きい宝石をたくさん盛ると、指が痛くなりそうだなぁ。 -
図書館で借りた本。
ヴィクトリア&アルバート博物館の指輪コレクションから読み解くというサブタイ。
表紙の鼻の指輪はルイス・ミューラー、裏表紙の唇はソランジュ・アザグリー・パートリッジのホットリップス。
ホットリップスはぐぐったら他にもバリエーションがあるのね。かわいい。
p54の肖像画で指輪と手首を黒い糸で結んでるのは落下防止&おしゃれな風習だったらしいです。
数本組み合わせて一つの指輪になるとか、仕掛けのあるタイプが好きだなぁ。 -
いつの時代の指輪も指輪は愛情、忠誠心、追悼、信仰のシンボル。
いつの時代の作品を見ても、美しく、想いが込められているように感じる。
古の時代の指輪は、細工が細かく、機械化されていない時代によくこんな加工できたな、、としみじみ思った。