魔道祖師 3 (ダリアシリーズユニ)

  • フロンティアワークス
4.70
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866574141

作品紹介・あらすじ

道は違えど、想いは重なると信じていた――。

魏無羨が十代の頃、藍忘機と協力して妖獣を倒したことで二人の距離は少し縮まった。
しかし、それがきっかけで雲夢江氏は岐山温氏により壊滅に追い込まれてしまう。
襲撃から生き残ったものの、突然姿を消した魏無羨を捜し続ける藍忘機と江澄。
そして再会した時、彼は笛音と翳りを身に纏い鬼道を操るようになっていた。
その強大な力を恐れ持てはやす者たちに反して、
藍忘機だけが彼をまっすぐ見つめ、正道へ引き戻そうとする。
会えばいつも喧嘩別れになる二人だったが、何度突き放しても藍忘機は諦めず――。

感想・レビュー・書評

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  • 前世の魏無羨の生きてきた道が、もうなんだろう、幸せな瞬間も含めて胸が痛くてたまらない。ずっとぐるぐるいろんな感情が渦巻いてる。

    魏無羨がどうして夷陵老祖にならなくちゃいけなかったのか。どうして霊力も修為も高く剣術も得意だった彼が、それらを捨て邪道を極めることになったのか。どうして大切な人の愛する人の命を奪い、そして大切な人を目の前で失ってしまわなきゃならなかったのか。
    どうして力が制御できなくなって藍忘機を殺そうとし、大虐殺を起こしてしまったのか。どうして大悪党として討伐されなきゃいけなかったのか。
    どうして、どうして、どうしてが止まらなかった。けれどそれらも絡まった糸が少しずつほぐれていくように前巻から真実が見えはじめる。
    命、時間…、失くしたものはもう取り戻すことはできないのだけれど。

    なんで人として正しいことをしただけなのに、それが彼の周りに災いをもたらすことになったのだろう。悲しくて悔しくてもどかしくて、そして絶望する。
    それでも、どれほど深い闇に堕ちていっても譲れないものはあるし、そこに仄かな光があることも事実で。

    現世で彼が藍忘機にかける何気ないひと言、藍忘機がずっと大切にしているものなど、そういうさりげないものが、実は前世の魏無羨と今生の藍忘機を繋げていることに気づく。
    それらのことを魏無羨は何も覚えてないけれど、藍忘機にとっては忘れられないとても大切なもの。
    たとえば「淡い色の芍薬の押し花の栞」にも彼の秘めた想いが込められていて愛おしくて切なくなる。栞となった芍薬の花は、過去の彼らが再会したある日の出来事「将離」に出てくるのだけど、この「将離」というタイトルだけで涙が滲む。「将離」とは「もうすぐ離れる」という意味で「芍薬」の別称でもある。「芍薬」は別れを惜しむ花…。このタイトルだけでふたりにもうすぐ永遠の別れがくることが想像できる。
    タイトルでいえば「漢広」にも、どうすることもできない哀しみが溢れてる。「漢広」とは渡ることのできない広い川の向こう岸の女性への恋慕の詩。藍忘機の号が含光君なのだけれど、その「含光」と同じ発音になる。
    過去の彼らはどうしても一緒の道を歩めなかった。
    「誰か俺にうまく歩ける道をくれないかな。鬼道に頼らなくても、自分が守りたいものを守れる道を」
    そんな道などどこにもなくて、ふたりはまた別れてしまう。

    藍忘機は魏無羨がこの世にいなくなってから13年間、どういう気持ちで日々をすごしてきたのだろう。彼の魂は消滅したといわれてたけど藍忘機はどう思っていたのだろう。やっぱり二度と会えなくてもずっと彼だけを想って生きていくのだろうな。彼が呑みたいと言っていたから部屋に隠している天子笑、捨てることなんてできないよ。
    だから莫玄羽が魏無羨だと気づいたとき、どれほど胸が昂っただろう。それも過去の藍忘機から魏無羨への思いが形となったものがふたりを繋げたのだから、なんてドラマチック。

    そして現在。斂芳尊によって夷陵老祖だと正体がバレてしまった魏無羨は金凌に剣で刺されてしまう。藍忘機がその場で殺しあいになりながらも魏無羨を連れて逃げ切る。
    気を失い、まだ半ば眠りの中にいる魏無羨が藍忘機の名前を呟き、そして、
    「……お前……お前は、怒らないで……」
    「お前についていくから、早く、俺をお前の家に連れて帰ってくれ!」
    と叫んでしまう。

    彼の見ていた夢は、彼の前世。
    岐山温氏によって雲夢江氏が壊滅に追い込まれ、捕まった魏無羨は邪気が強く怨念も濃い乱葬崗に落とされてしまう。生きている人間が足を踏み入れれば二度と戻れないと言われる屍でできた山、乱葬崗。3か月後、そこから生還した魏無羨は以前のような明るく意気揚々とした美少年ではなかった。全身がひどく冷え冷えとした重苦しい気配に覆われ、美しい顔は青褪め翳りをおびている。彼は邪悪なモノたちを操り藍忘機たちの前に現れ、復讐のため温氏を殺戮し続けた、その頃のこと。

    江澄は邪道でもなんでも温氏に復讐できるならと魏無羨を受け入れたけれど、藍忘機だけは違った。
    「私と一緒に姑蘇へ帰るんだ」
    と彼にはっきりと言う。邪道は体を傷つけ、心をも傷つける。間違いなく代償を払うことになると。こんなことをしていると魏無羨が壊れていくこと、深く傷ついていくことが分かっていたんだと思う。正道に戻すとか、力が制御できなくなるとか、そういう言葉にできる理由というよりも、ただただ今の彼の姿が遠すぎて言葉にできない悲しみとか怖さとか愛しさとか様々な感情がぶわっと沸き上がってきたんだと思う。
    だけど魏無羨には届かない。
    「俺の心の在りようなんて誰にわかる?それに他人にいったいなんの関係があるんだ?」

    それでも藍忘機は諦めず、彼に会って話せば衝突ばかりでいつも気まずく別れることになっても、何度も姑蘇へ帰ろうと告げ彼を正道に戻そうとする。
    だけど、魏無羨には誰にも言えない正道に戻れない理由があったんだよね……

    兄の沢蕪君に藍忘機が打ち明ける。
    「兄上、私は、ある者を雲深不知処に連れ帰りたいのです」
    「連れ帰り……隠します」
    「しかし、彼はそれを望まないのです」
    藍忘機の苦悩を思うと胸がきゅっとなる。そしてなんとなく藍忘機の両親の話を思い出し、幼い頃の藍忘機がお母さんに抱かれているところを想像しては泣きたくてたまらない気持ちになった。

    そんな夢を見てたときの心の叫びなのだから、このひと言には思わず涙が。でももう大丈夫だよ。どんなに彼を突き放した過去があっても、今もちゃんと傍に藍忘機がいてくれるのだから。彼は絶対離れないよ。魏無羨ももう離れられないよね。きっと魏無羨も自分でも気づかないうちに彼を求めていたんだろうな。

    魏無羨にも、もう二度と会えない大切な人たちとの思い出はあって。今はその人たちのように藍忘機が傍にいてくれる。お父さんの代わりに彼がロバの手綱を引いてくれる。師姉の江厭離の代わりに木から落ちたら受けとめてくれる。
    そしてこれから生まれる楽しい思い出にも藍忘機はいてくれる……、いてほしい。
    だんだん藍忘機への気持ちが膨らんでいく魏無羨が可愛い。藍忘機も可愛くて仕方ないんだろうな、なんて思っちゃった。

  • 歴史…大河…
    赦すことと許されることと、時間が解してくれる関係と、時間が経つことによって拗れて、捻れて、もうどうしようもなくなってしまう感情と…狂おしい。
    どうしようもなくて転がり落ちてしまうところはもう本当にこれ以外の道がない~だったけれど、もうそのあとはもーーしょうがないーーお前お前お前〜!!!!
    阿苑(願)のシーンもう、干からびるほど泣いてしまった…お子だ…お子だ…
    今回は、何?!というところで終わらなくて良かった…心安らかに眠れる…でももうあと一冊分しかないなんて…見届けます。

  • 過去と現在が行ったり来たりで、ちょっとついていくのが大変だった。
    内容はかなり盛りだくさん。
    かなり残酷なシーンもあったり、人が結構死ぬ。
    しかも色々な行き違い?で殺すはずのない人を殺してしまう、殺されてしまう、が続く。

    藍湛と無羨の絡みは癒しだけど、江澄との絡みも好き。憎いのに憎みきれない無羨に対する態度がわかりみしかない。
    藍湛の一途さは尊さしかない
    若者たちが無羨や温寧と仲良くなっていくのもほっこりする

    2023.1.7
    6

  • ▼あらすじ
    魏無羨が十代の頃、藍忘機と協力して妖獣を倒したことで二人の距離は少し縮まった。しかし、それがきっかけで雲夢江氏は岐山温氏により壊滅に追い込まれてしまう。襲撃から生き残ったものの、突然姿を消した魏無羨を捜し続ける藍忘機と江澄。そして再会した時、彼は笛音と翳りを身に纏い鬼道を操るようになっていた。その強大な力を恐れ持てはやす者たちに反して、藍忘機だけが彼をまっすぐ見つめ、正道へ引き戻そうとする。会えばいつも喧嘩別れになる二人だったが、何度突き放しても藍忘機は諦めず――。

    ***

    ストーリーの完全度:高い
    トーン:シリアス
    エロ度:無し
    萌え度:高い
    総合評価:★4.5

    4巻は大分ホラーちっくというか、グロテスクなシーンが多い印象でしたね。
    ですが、蓮花塢に温氏の軍勢が乗り込んできて雲夢江氏が滅ぼされてしまうシーンは思ってたよりあっさり描写されていたので驚きでした。この辺のシーンは陳情令でもアニメでも大分しんどい思いをした部分なので、原作はどれほど残酷に描かれているのかビクビクしていたのですが…(^^;)

    ただ、魏嬰と江澄が温晃、王霊嬌、温逐流に復讐するシーンは原作が一番残酷に描かれていました。この復讐シーンは陳情令でもゾッとした記憶があるのですが、原作はより一層ホラーめいていて尚且つグロテスクに描かれているのでホラー耐性とグロ耐性が無い人は読んでて気分が悪くなるかもしれません。要注意です。

    そして今回、あの有名な百鳳山での目隠しキスシーンが登場します!(陳情令では大人の事情でカットされた部分ですね笑)
    しかも結構情熱的!藍湛の事だからそっと口付けて風のように去っていくんだろうなと思いきや、まさかの暴走しちゃってめっちゃディープなキスしてるし!やっぱり藍湛ってむっつりスケベなんだなぁ…(笑)
    魏嬰も相手の事を力の強い女の子だと勘違いしてて、思わず「そんな訳あるかい!」と心の中で盛大なツッコミを入れてしまいました(笑)

    ただ、ここからの展開がしんどくて…。魏嬰が大切な人を守る為とはいえ、どんどん周囲から孤立していきます。
    窮奇道で助け出した温氏一族と乱葬崗で暮らし始める魏嬰。この温氏一族は何の罪も無い人達なんですが、温氏というだけで迫害を受けていました。あの心優しい温寧も、窮奇道で酷い暴行を受けて命を落としてしまいます。
    魏嬰の行動は正しいし、言ってる事も正しいんだけど、邪道を収めた魏嬰はちょっと自分の力を過信し過ぎている所があって、しかも言葉を選ばずにはっきり言っちゃうタイプだから敵を作りやすいんだよね…。

    まぁ、一度は死んだ温寧を意識のある凶屍として復活させられるくらいだから魏嬰が驚異的な才能の持ち主である事は間違いないんですけど、やっぱり邪道を収めた魏嬰に明るい未来が用意されているはずもなく。
    最終的には力が制御出来なくなり、自分の大切な姉の夫である金子軒を温寧を使って殺してしまい(本人は殺すつもりなどなかった)、更にその姉も不夜天の戦いで魏嬰の身代わりとなって死んでしまいます。
    そして最後は魏嬰自身も乱葬崗にいる温氏一族ごと殺されてしまうという後味の悪い結末に…。

    その後、莫玄羽の手によって現世に蘇った魏嬰は金光瑤の策略によって再びあの乱葬崗で追い詰められる事になるのですが、今度は前世の時と違って魏嬰の周りにはちゃんと味方がいます。
    藍湛は勿論、義城で魏嬰と一緒に行動をしていた思追や景儀、欧陽子真といった少年組達も魏嬰の味方をしてくれて感動…!(てか欧陽子真くん本当に良い子だな…)

    しかも伏魔洞の血の池から血屍が次から次へと現れ魏嬰を守ってくれるんですが、その正体が予想外の人達で!!(T_T)
    この血屍達が出て来る展開は陳情令では無かったので衝撃的でしたし、何よりもうせつなくてせつなくて読みながらうるうるしてしまいました。(温寧の反応にも涙を誘われる…)

    次でいよいよ最終巻ですが、きっと4巻がシリーズの中で一番濃い内容になるに違いありません。金丹の真実、観音廟での最終決戦、そして何と言っても4巻はエロシーンがありますからね!(笑)
    今までもほんのりBLみを感じるシーンはありましたが、エロシーンはまだ一度も出て来てないのでどんな感じで描かれるのか非常に楽しみです♡
    ああ、早く4巻が読みたい…!!(*>ω<*)

  • 後半泣いた…号泣してしまった。
    上げて落として、更に上げ て更に落す
    読み終えた後がジェットコースターかな…
    もう1回乗って(読んで)くる!レベルの伏線回収にあ゛ー!好きー!ありがとうございます!!

    まさかあそこでファーストちっすでデープ決めると思いませんやん?
    2人はどこで両片思いから両思いになったのか…途中から夫婦な空気えっ?!最高かよ!甘焦れ来るかなと思いきやこんにちは絶望
    過去だとわかってるけど絶望のどん底からの希望をちらりみせてまた絶望させて血の池で号泣からの伏線回収と甘さブッコミに自分の情緒が混乱して最高だな!!ってなってる

    まだ気づきもしてない伏線がいっぱいあるようなきがしてきて、とりあえず全巻読んでもう一度読みたいと思わせてくれる作品

    好きな台詞も沢山あるなか1つをあげるなら
    羨羨3歳

    も、もう4巻への期待が高まるばかりで絶望ないよね?安心していい?ひたすら砂糖齧りたいな!!なんてね!!先生大好き天宮賜福もサハンも読みたい日本語訳待ってます!!

  • 夷陵老祖全開の魏嬰、しんどい。
    温晁と温逐流をいとも容易く追い詰めていくのは痛快だったけど、その後の藍湛との対面が辛い…。
    藍湛、雲深不知処に魏嬰を連れ帰ろうとしたのエモい!
    でも、その後の江澄の言葉が痛烈に刺さったな。
    そうなんだよ、魏嬰が誰かと帰るとするならそれは藍湛とじゃなくて江澄なんだよね……このときは……。
    からの雲夢江氏二人による復讐タイムに入るため、魏嬰と江澄から丁重に帰れって言われちゃって、藍湛のメンタルまじでフルボッコにされ過ぎて泣ける。
    不夜天でもしんどかったのに…!
    藍湛と魏嬰が対峙して、魏嬰が藍湛にいつか殺し合う日が〜て言ったのに対して「魏嬰!」て藍湛が返したところ、怒鳴ってたんじゃなくて声が震えてたとか…。
    藍湛、早く報われてくれ~!

    待って待って。
    金凌に刺された現代に時間軸戻ってから美味しすぎるでしょ。
    魏嬰寝ながら、藍湛に雲深不知処に連れ帰ってって!回想からのこれはニヤニヤしちゃう〜!
    時の流れというか愛の力かな?

    曦臣にはっきりと魏嬰を信じてるって言った藍湛〜!スパダリ!
    曦臣が魏嬰に自分達の母親のことを話し、藍湛には執念深いところがある、って言ったの忠告かな?
    藍湛と一緒になるなら、気をつけなってことかな~。
    藍湛に、魏嬰を連れ帰って隠したいって過去に相談されてたもんね。
    曦臣にはそれが魏嬰だと言わなかったけど、多分分かってたよね。
    それを加味するとやっぱ藍湛と一緒になるなら覚悟しなよっていう忠告かな。

    先に4巻パラ読みしたから知ってるけど、巻狩で魏嬰にキスしたの藍湛なんだよね。
    めちゃくちゃ情熱的〜!最後に甘噛みするの堪らん!
    というか、このとき魏嬰が姉から貰った花を持ち去って、それ栞にしたよね絶対?これ、栞の花だよね!?
    巻狩で子軒と厭離の距離縮まったな。
    色々もつれたけど、子軒が本心打ち明けたところは良かった、初心で可愛いわ!笑
    これがあったからこそ、厭離と子軒は結婚に至れたんだろうな。
    夷陵に行ったら怪しまれるのに、花嫁姿を魏嬰に見せに来るとこほんと家族の絆で泣いちゃった。
    江澄との仲違いも演技だと分かってホッとしたわ。
    そうだよね、江澄と魏嬰だもんね!
    と思ってたら、1か月礼がしんど……。
    金子勲の千瘡百孔は誰が掛けた呪いなんだろ?
    千瘡百孔のことを子勲が金光善に言ったら、魏嬰を殺すように指図したのかよクソすぎ。
    金光瑤と一緒に魏嬰を殺す予定だったのか。
    子軒、それを止めに来たのは良いけど、色々タイミングが良くなかったな…。
    魏嬰、初めて温寧を制御出来なくなったな。

    射日の征戦後に、藍湛、雲夢に行ったんだな。
    それも、魏嬰からの誘いを受けて!
    そして、また『姑蘇に帰ろう』って誘ったー!
    めっちゃ魏嬰の心配してる、エモい。

    魏嬰が江家にもらわれた頃の話、ようやく見れた。
    江澄とほんとに最初仲悪かったんだな〜。
    というか、厭離もまだこのとき12か3なのに大人びてるわ。
    よく二人を抱っことおんぶで連れ帰ったよ、えらい!

    温寧の死亡確定するとこしんど……温情が泣くとこで涙腺に来る。
    ちょうど陳情令でも見て、うるうるしちゃった。
    乱葬崗で暮らし始めたは良いけど、今度は江澄と魏嬰が仲違い……地獄かな。

    阿苑に泣かれて慌ててる無表情な藍湛を想像して、魏嬰と一緒に笑っちゃった(笑)
    でも、藍湛が阿苑におもちゃ買ったり、膝に乗せてご飯食べたり、口拭いてあげたりしてるのほっこりした。
    もしも、魏嬰との間に子供が出来たとしたら、絶対子煩悩になるわ。スパダリだから素質ある(笑)
    魏嬰と藍湛が別れるときって、毎回気まずい別れ方になるよね……。しんど。

  • 1・2巻はBL色薄いな? と思ってたけど、3巻に入ってついに目隠し○○シーンが。ドラマはブロマンスだから、さすがにこのシーンはなかったね。

    そして、キタ―――! ドラマでもあった藍湛が兄上に打ち明けるシーン。
    「ある者を雲深不知処に連れ帰りたいのです」
    「連れ帰り……隠します」
    「しかし、彼はそれを望まないのです」
    この時、藍湛が本当に魏嬰を雲深不知処に連れ帰るのに成功してたら、あの窮奇道での悲劇は起きなかったかもしれないと思うと……悲しいねえ。でも、そしたら温氏残党は本当に一人残らず殺されただろうし、部下になって支えると言った江澄を自分から切るとか無理だったよね。やっぱり、一度は離れるしかなかったのかな。

    この巻の見どころは、なんといってもラストの伏魔洞での戦闘シーン。特に、血屍が魏嬰たちを助けるところは感動して涙が……。魏嬰があの時したことは、決して意味のないことじゃなかったのだと思えた。ドラマでもこのシーン、見たかったな。でもドラマだと温氏残党はみんな金鱗台で……だったもんね。
    それと、温寧に香り袋を次々に差し出す少年組にほっこり。思追はもちろん、藍景儀と欧陽子真のキャラもいいよね。大人たちがひどい分、素直で優しいこの子たちの存在が本当に救い。

    易為春と方夢辰がしつこくてうんざり。確かに恨みたくなる気持ちはわかるよ。わかるけど、今回の件に関しては魏嬰が黒幕じゃないって証明されたわけじゃん。それなのに「信じない!」とか言って攻撃してきたり、最後までいちゃもんつけてきたり。ここらへんはドラマではカットされてたから良かった。
    あと、ヤオ宗主がマジでウザい。あんたはもう喋らなくていいよ! と何度思ったことか。

    蓮花塢に向かう船の船室から少年組のみんなが顔を赤くして出ていくシーンが面白かった。そうだよね、二人の世界には誰も入れないよねぇ(笑) 最後、ついに魏嬰が恋心を自覚したか? というところで4巻へ。

  • 辛い内容の3巻。
    厚い本の全てが辛い内容では無く、合間合間にほっこりするところもあり心が折れなくて済んだ。
    しかし「夜奔」は特にツライ。魏無羨の伝わらない思い、何をしても悪者にされ、さらに大切な師姉までも失う。静かな慟哭…。魏無羨の最後は端的に書かれてる。4巻で詳しく出てくるのかな…。

    ラストにサラッとBLらしい感じが出てきた。

    ずっと静かに見守ってきた藍忘機、帯にも書かれているけど16年以上の不変の思いは報われてほしい。

  • 窮奇道の悲劇は知っていてもやっぱり辛い。魏無羨自身は大嫌いでも、大好きな厭離姉さんの愛する夫で、死ねば良いなんて全く思ってもいない相手を、事故とはいえ、己の過信が原因で自分が殺したも同然なんて、師姉には顔向けできないし、自業自得が過ぎて、八つ当たりならできても誰も他人を責められないし、過去の自分を責めるにしても、過去の魏無羨の選択のどこをどうすれば違う結果になったのかが全く思い当たらないのが本当に辛い。不夜天に至る魏無羨が、自身が取り残される立場になって初めて、英雄病だと自身を罵った江澄の気持ちが分かったというのもしんどいなあ。
    江澄と魏無羨、瀕死の温晁に対しての拷問が過ぎて、怨みの深さは分かるものの、二人とも常軌を逸しているなあとも。魏無羨を外で待つ藍忘機が切ない。ただ、魏無羨だけでなく江澄も同じようにしているっていうので、魏無羨自身が邪道に蝕まれているわけではないんだよなあとも。ただ、魏無羨が射日の征戦に合流したのがここで、戦場で藍湛と魏嬰は何度も顔を会わせその度に喧嘩していたのだから、射日の征戦ってけっこう続いていたんだな! とも驚いた。あと、江澄と魏無羨って本当に阿吽の呼吸で、だからこそ言葉が足りなかったんだろうなあとも。剣を持たなくなった魏無羨が自分を驕るように言うのに対して、持たなくて良いっていう江澄も魏嬰同様に世間に冷淡で強気にも感じて、ああ似ているなあと感じたのだけど、実際江澄はどういう気持ちだったのか深く考えるとどうとでも解釈できそうで面白い。江澄が温情や温寧に治療されたのを直に見ていたなら状況は変わっていたのかな。

  • 最後の数十ページはドラマにない描写で、涙無くして読めなかった。四巻が待ち遠しい〜!

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