精霊王をレモンペッパーでとりこにしています 美味しい香りの異世界レシピ (フェアリーキス ピュア)

著者 : 遊森謡子

• Jパブリッシング (2019年5月27日発売)

感想・レビュー・書評

[亜夜さんの感想 · 2019年6月18日]

異世界トリップもの。
香りで精霊が生まれ、その精霊たちにも個々に個性があり、彼らとのやりとりが可愛らしかった。
ヒロインを落とそうと画策していたヒーローが、自然体なヒロインに逆に落とされるおまぬけぶりとか。帯には『腹黒』と書いてあるが、どちらかというと『不器用』な印象を受けた。

今作は、持ち上がったある問題を解決して大団円的に終了させてはいるが、ヒロインが元の世界に戻るための方法は確立されていないし、ヒーローからの告白も保留にしているという、大事な部分が全て中途半端に終わっている。
その為、この作品で完結ということになってしまうと消化不良感がすごい。

出来れば続刊を出して、帰還に関する部分も恋愛問題もきちんと綺麗に片づけて欲しいと思う。

著者プロフィール

東京都生まれ、千葉県在住。2012年『王子さまの守り人（まもりびと）（旧題：離宮の乳母さま）』で出版デビュー、WEBでも活動中。手動式コーヒーミルで豆を挽くのが癒し。

「2020年 『猫の手でもよろしければ』 で使われていた紹介文から引用しています。」