悲惨な結婚を強いられたので、策士な侯爵様と逃げ切ろうと思います (フェアリーキス ピュア)

著者 :
  • Jパブリッシング
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866694184

作品紹介・あらすじ

婚約者であり初恋の人でもある王太子から、突然愛人の存在を告げられた侯爵令嬢ジュリアナ。しかも、結婚はしてやるから今後は愛人の後ろ盾になるようにとの要望付きで――。あまりの屈辱に婚約破棄を願い出るが、何故か王太子はそれを断固拒否して外堀を埋め始める。そんな時、救いの手を差し伸べたのは幼馴染のキースリング侯爵だった。恋人となることで、王太子の執着を断ち切ろうというのだ。はじめは仮初めの関係と思って承諾したものの、巧みな策と長年の恋心をもってジュリアナを守る侯爵の姿に、彼女も自分の本当の想いに気づき始め……

感想・レビュー・書評

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  • ピッコマにて読了。★3.6

    読み進めるほどに王太子の内の純然たる悪意が姿をあらわし、ジュリアナをどう見ていた以前に、人となりが王太子に向いていないことがわかる。
    《自分の出自・王族としての責務云々を憎んでいたところ、完璧な淑女にして婚約者のジュリアナが現れた。外交、内政、社交界でも飛び抜けて人気の、王太子妃になる人。
    その彼女を『恋人』として認識したことで、優越を実感するとともに加虐的な思考が生まれ、それを後押しするビアンカというカードが手元に舞い込んだ。王太子にとってはそれだけのことであり、王になるという詰まらない縛られた人生の慰みに始めたゲームのようなもので、別段、これは計算し尽くされた計画というほどのものではないし、一人では上手く王太子でいられない青年は精神面でビアンカと同じなのだろう》と思っていました。
    立場の重圧のみならず、ジュリアナというブレーンによって築かれる自身の偶像に押し潰され、多くを見失いながら『王太子』としてのレールの上だけを人生として生きていた。ジュリアナへの愛の記憶はあれど、ジュリアナからの愛はジュリアナをも衆目の一つとしてしか捉えられなくなっていたため覚えになかったのかもしれない。弟と話すまではジュリアナへの愛も、自分を形成する項目としてしか思い出せなかったのかも。
    あくまでもビアンカがジュリアナの代わりだったのか。
    ……まあ、向いてないことは確かです。

    一冊で完結していると思いますが、完結マークがついておらず、続く可能性があるのでしょうか?
    有望そうな弟コンビが可愛かったので、彼らの成長した様子を伺ってみたい気持ちは無きにしも非ずです。あと、皇帝も喋ると割りと好きなキャラでした。けれど、オルコット侯爵の逸話を聞くに、パパが作中きっての男前でしょうね。
    長タイトルは説明にはなっていますが、本編と印象が違う気がするのでそこは本当にこれで良かったのか……と一つ疑問です。

  • 電子版から。
    いくらなんでもこの終わりはバーニー殿下がかわいそう。
    最後の台詞のあっけなさときたら。
    なんじゃそりゃー(ノ`Д´)ノ彡┻━┻と思いました。

  • えっと、終盤まで王太子がヤバくて非常に怖かったです:(;゙゚'ω゚'): 最初は怒りしか湧かなかったのに、進むにつれ王太子の闇が深くて恐ろしかった。。。

    とりあえず、甘々で砂糖吐いてるくらい甘い言葉を吐く侯爵と、甘い言葉に免疫のない令嬢は可愛らしかったです。あと、キス以上の進展がないのに、この満足度はすごい!やっぱり糖度が高いからでしょうか。
    甘々が好きな人におすすめ!

    でも、個人的に一番好きなのは、ヒロインの父・宰相かな

  • ソーニャも驚きの王太子っっ‼︎
    歪んだ狂気は好きなんだけど…
    ちょっと違うんだなぁ(˘ω˘ ≡ ˘ω˘)。
    幼馴染の侯爵も素敵なんだけど、ちょっと影が薄かったかな(笑)。
    1番素敵なのはパパかも⁉︎

  • 「真実の愛」と称して浮気をしていながら、婚約者であるジュリアナとの婚約破棄は決してせず頑なに拒んでいる王太子の本音が見えなくて、途中まで非常に怖かった。
    彼女を追い詰めるにしては詰めが甘いし(何しろ浮気相手を大切にしているようで大切にしていないし、浮気相手の実家への根回しが済んでいない)それにしては、エリックには敵意剥き出し。
    ジュリアナを取り合うという意味で恋のライバル同士である二人ではあるから、本当に恋しているなら敵意剥き出しなのは分かる。
    でもジュリアナを追い詰めようとしているし、その割に嫉妬して執着しているのは何でだと。
    訳が分からない!
    彼の浮気相手は、他人のものを欲しがり、実際に奪って優位に立ちたいだけのキャラなので頭はあまりよろしくないから、王太子を操るようなキャラではないから余計に。
    その謎が解けたのは随分終盤である。
    愛と憎悪は紙一重。
    歪んでいたけれど、それもまた愛ではあった。
    それを彼自身が正しく理解していなかっただけで。

    一方でエリック。
    王太子の婚約者であるジュリアナにずっとずっと恋い焦がれてきた彼の愛はとろっとろ系。
    今まで次期王妃として様々なことを我慢して勉強し続けてきたジュリアナを優しく包んで甘やかすタイプ。
    まあジュリアナは単純に甘やかされてはくれないのだが。
    王太子とは真逆の愛である。
    果たしてどちらが彼女の本当の愛を射止めるか、というのは火を見るより明らかではあった。

    ただエリックの立場が色々ややこしいので、王太子の自爆に近い騒動でエリックはもちろんのこと、国家自体を揺るがす羽目に。
    ここでただ泣き寝入りしないのがジュリアナである。
    元々国を支える次期王妃として育てられてきた上に、凄腕の能吏を父に持つ令嬢。
    単身敵国に乗り込む度胸も、国家をかけた交渉を自らするというのは完全に父譲りである。
    好きな人のためなら、例え火の中水の中を実践できる系女子。
    しかも、それをできちゃう実力持ち。
    ただの美人ではないのである。
    頼もしくはあるが、エリックにしてみれば、はらはらもしただろう。
    そりゃ甘やかしたくもなるよ、危なっかしいから。

    王太子の本音を思うと彼の破滅(というにはジュリアナが優しかったのでそこまでの破滅ではないが、ともかく破滅)エンドに「ざまあ」とは言い切れないが、きっとあのままジュリアナと結ばれても遅かれ早かれ破綻はした。
    彼女が幸せに笑っていられる場所を提供できたのは、やはりエリックだっただろう。
    それに彼女のこれまで培ってきた能力を活かせるのも、きっとエリックの傍だ。
    国は変わるが、彼女は国の母として支えていくことになるのだから。
    本当に愛した人が治める国で、本当に愛した人の隣で。

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