老女的少女ひなたちゃん (11) (ゼノンコミックス)

著者 :
  • コアミックス
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784867203965

作品紹介・あらすじ

サダヲの夢が叶い、雑誌での連載が始まった。皆で漫画のアシスタントをしたり、ご飯を食べたり、ケンカをしたり。楽しく騒がしい時間の中で、ふとひなたは想う。「そうか、もうサダヲは……」 繋いだその手を離す時、ひなたが残していくものとはーー。笑顔と感動の最終巻‼︎

感想・レビュー・書評

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    ずっと追いかけてたウェブ漫画がなぜか最終回直前で掲載しなくなって最終回不明のままだったから、気になって紙の本を購入。ラスト2話が良かった。これまでの経過でこの最終回しかないと分かってたけど、周りの人の反応が上手いこと描けてたと思う。
    ほうじ茶の下りが良かった。

  • サダヲをは漫画連載が決まり、こよみともいい感じになりつつ有る。また、孤独に暮らしていたサダヲは様々な人との繋がりを持つようになった
    ひなたが現れる前と今とではサダヲの環境は大きく変わった。そうなってくれば自然と話題の中心はひなたの成仏へと移っていくわけで……

    花火の件でひなたが成仏する事はなかった。あの一件は私の中では未練が有るとか、まだサダヲが心配だからと適当に理由付けしていたんだけど、こうして最終巻を読むと何だか答えが判ったような気がするよ
    あの時は自分の幸福だから成仏できなかった。ひなたが本当に気にしているのはサダヲが幸福になれているかという点か…

    この巻でもひなたは多方面でサダヲを心配し構っているね。漫画の執筆、恋愛模様…
    サダヲ一直線のひなた。でも、そんなひなたをきちんと見る人々が描かれたのは少し意外な展開だったかも。ひなたの未練が消えたらと不安がるよこみ、ひなたに告白した冬馬、恋よりも友情を取った千春達
    これらはサダヲの事ばかり考えていたひなたの目を覚ますようなもの。サダヲの人生は大事だが、同じくらいひなたの人生だって大事。それはもしかしたらおばあちゃんの記憶が残っている状態のひなたをそろそろ普通の女の子に戻してやるのも良いのではないかと誘っているかのよう

    だからこそ、サダヲへの未練を本格的に解消する必要も出てくるわけで
    ただ、先に述べたようにひなたが心配しているのはサダヲが幸せになれるかどうか。それにはひなたが世話を焼き続けるのも一つの手だけど、もう一つの考え方として孫がおばあちゃんから自立する。その第一歩として、自分は心配されているのだと自覚するのも必要になってくる
    そういった意味では言わされた感満々でもひなたを「ばーちゃん」と呼び、彼女を安心させる言葉を伝えられたサダヲはようやく孫としてひなたと向き合えたと言えるのだろうね

    サダヲの漫画は雑誌に載り、彼主催のバーベキューには大勢の人が集まった。おまけに豆腐田楽まで作っていた
    かつては彼の祖母が作っていただろう豆腐田楽、それを彼が作れるようになったとは祖母の見守りが要らなくなった決定的な証拠になったと言えるのかもしれない。彼が大人として独り立ちできて、周りには幾つもの繋がりがある事に安心できたのかもしれない
    抜け落ちるようにひなたから離れたとよばあちゃんの姿にしんみりとしてしまう……


    そうして後日談的な最終話では遂に普通の女の子になったひなたの姿が……!ていうか想像していた以上に普通っぽくて驚きましたよ!?

    それはサダヲにとっては再びの死別と言えるかもしれない状況。でも、それを一緒に受け止めてくれるこよみが居て、おばあちゃん的なひなたとの別離をただ悲しいだけの話と受け止めない強さを手にもしていて…
    やはりサダヲは充分に大人になっていたと言えるのだろうね

    あと、記憶を無くしたひなたとの繋がりがそれで切れるのではなく、「またあした!」と言って続いていくのだと知れたのは本当に良かったよ…!
    とよばあちゃんの記憶を無くしても、ひなたは何かを失ったわけじゃないと知れたのは良かった…


    おばあちゃんっぽい女の子という、下手な扱いをすれば一発ネタに終わりかねない要素を中心に据えていた本作。変則的な祖母と孫の物語として、そしてひなたの魅力が十二分に描かれた物語として、最初から最後まできっちり楽しませて頂いた作品でしたよ!

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著者プロフィール

桑佳あさ: “藤野もやむ”名義で「賢者の長き不在」(ブレイドコミックス)や「忘却のクレイドル」(ブレイドコミックス)などコアなファンをもつ実力派。現在は、”桑佳あさ”名義で月刊コミックゼノンで『老女的少女ひなたちゃん』、コミックキューンで『しょうあんと日々。』を連載中。

「2020年 『老女的少女ひなたちゃん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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