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- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784870311114
作品紹介・あらすじ
市井の人々が語ったロシアの真実。
感想・レビュー・書評
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「アメリカの小さな町」と対を成すような企画。「ロシア」と題された原著1990年刊の本だが、実質本書が対象としているのは「ソ連」である。
…と言っても、若い人にはもはやニュアンスが通じないのかもしれない。ソ連を筆頭とする「社会主義国家」は、かつて「資本主義の我々」にとって、紛うかたなき「異界」であった。なればこそ、その内実を「知りたい!」というニーズが存在したのである。
本書が描き出したのは、「ソ連の人々の普通の暮らし」である。
このうち「ソ連の」という部分は、今となってはup-to-dateな意味を持たない。その点、「アメリカの~」に比べて不利というか、風化の波をこうむってしまっているとは言える。だがそれ以外の肌ざわり、普通の人の普通の生きざまが与えてくれるしみじみとした感動などは、当然ながら「アメリカの~」によく似ている。ページが少ない分、こちらのほうが読みやすいかもしれない。
ただ。あれから22年、この人たちはどこでどうしているのだろうか…と、眠ったように平和であろうアメリカの田舎町の人々には覚えなかったことが、読後ひどく気になった。
激動の時代を乗り越えて、それぞれに穏やかな日々を過ごしておられるのを願ってやまない。
2012/5/28~5/30読了詳細をみるコメント0件をすべて表示
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