- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784870314658
感想・レビュー・書評
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所々、本当に細かいつぶやきのような日常の記憶が書かれている。
けれど、どの言葉も彼には必要で重要なことが書かれている。
そして、その細かい言葉を読んで行くと、人生の一日の積み重ねの色が詳細に見えてくる。
こんなに鮮明に、また正直に人生の一日のことを書く本は、小説意外では珍しいように思う。ただの日記のようにたるいのではなく、その一日は大きなアクションではないけれど、人生を変える重要な日であったという記録。
表現も的確で、的確すぎて出てくる人物の温度をいやおうなく感じる。悲しい部分も、暖かい部分も、寂しい部分も。主観的ではあるけれど、冷静な着色のない表現。
同性愛同士で子供を持つという人生はどんなものか。
確かにずっと課題はつきまとうけれど、彼と彼のパートナー・家族を見ると『自分達はどう生きるのか』同性愛というものをふくめて、だけどそれを一番危険な道だとは考えず『私』はどう生きるか。
これは個人の生き方の一つであるというような共感できる部分もたくさんあります。
彼の人生を読んでいると、ステキなパートナーに出会えることは『命』そのものだと感じます。
男女関係ではなく、子供はつくることができないけど、無二のパートナーを見つけるのは自分の人生そのものになる。。。
そんな幸福で、生きる実感を与えてくれる家族とめぐり合いたい、また作りたいと思えます。
※あくまで、私の感想ですょw詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
洋書版のタイトルのが方がとても深く重いと思うが、原題の注釈がないとすぐには伝わらないだろうから、難しいか。
ある意味勇気をもらい、ある意味、自分たちの未来を深く考えた本。誰にでも意味を持つ本ではないだろうが。 -
子どもと動物にはかなわないとよく言うけれど、男ふたりの真ん中に子どもをひとり置くだけで、周囲の目線は優しくなるらしい。
もちろんそのために子育てをしているわけじゃなくて、だけど子どもがいるってことで変わっていける部分もある。
「育てたい人が育てられる」って大事なことだよなあと思った。