評伝・古賀政男: 青春よ永遠に

著者 :
  • アテネ書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784871522311

作品紹介・あらすじ

故郷喪失の少年時代、苦学の青年時代に独学で音楽を学び、豊かな音楽的世界を創り上げた波乱の人生を、激動の昭和を背景に解き明かした音楽家評伝の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 2012.07.26 図書館

  • 古関裕而を読むと、古賀政男、服部良一、藤山一郎に興味を持ち、自伝ではなく評伝を読んでみた。

    著者は学生時代明大マンドリン倶楽部に所属し、古賀政男の自伝などを読んでも、どうも古賀氏の核心に迫れないものを感じ、自ら古賀政男の真実に迫りたい、古賀政男の音楽的な個性を捉えたいと筆をとったとある。

    「影を慕いて」や「悲しい酒」など3拍子の曲は少年時代を過ごした朝鮮の民謡などの影響があるとし、哀愁を帯びる曲が多い一方、「丘を越えて」など明大時代の青春の思い出の曲もあり、晩年まで青春の感傷と情熱の響きが消えることは無かった、と結論づけている。

    そして哀愁を帯びるメロディが聞き手に発揮されるのは、藤山一郎の正統で正確な明るい歌唱方法・技術と、美空ひばりの豊かな歌唱表現によってであったとしている。

    著者は1960年生まれ。古賀氏の後輩、明治大学大学院で音楽メディア史、近代日本流行歌史が専門。そして明大マンドリン倶楽部に所属していた。

    2004.7.10初版第1刷  図書館

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著者プロフィール

きくち きよまろ 日本の伝記作家、音楽メディア史研究家。
1960年、岩手県宮古市生まれ。
明治大学大学院政治経済学研究科政治学専攻博士前期課程修了。淑徳大学エクステンション講師。明治大学マンドリン倶楽部では音楽を、橋川文三ゼミで思想史を研鑽。藤山一郎、古賀政男、中山晋平などの日本近代の大衆音楽関係者の評伝・伝記を執筆。
著書に『藤山一郎 歌唱の精神』(春秋社、1996年)、『さすらいのメロディー 鳥取春陽伝  日本流行歌史の一断面・演歌とジャズを駆け抜けた男』(郁朋社、1998年)、『評伝・古賀政男 青春よ永遠に』(アテネ書房、2004年)、『国境の町 東海林太郎とその時代』(北方新社、2006年)、『流行歌手たちの戦争』(光人社、2007年)、『中山晋平伝 近代日本流行歌の父』(郷土出版社、2007年)、『日本流行歌変遷史 歌謡曲の誕生からJ・ポップの時代へ』(論創社、2008年)、『「リンゴの唄」と戦後の気分』(岩波書店、2008年)、『永遠の歌姫 佐藤千夜子』(東北出版企画、2008年)、『私の青空 二村定一 ジャズ・ソングと軽喜劇黄金時代』(論創社、2012年)、『評伝 古関裕而 国民音楽樹立への途』(彩流社、2012年:[新版]2020年)、『阿部武雄  流浪の作曲家』(東北出版企画、2012年)、『評伝 服部良一 日本ジャズ&ポップス史』(彩流社、2013年)、『天才野球人 田部武雄』(彩流社、2013年)、『評伝 古賀政男 日本マンドリン&ギター史』(彩流社、2015年)、『ツルレコード 昭和流行歌物語』(人間社、2015年)、『昭和演歌の歴史』(アルファベータブックス、2016年)、『昭和軍歌・軍国歌謡の歴史  歌と戦争の記憶』(アルファベータブックス、2020年)、『宮澤賢治 浅草オペラ・ジャズ・レヴューの時代』(論創社、2021年)、『明治国家と柳田国男 「地方」をめぐる「農」と「民俗」への探求』(弦書房、2021)などがある。

「2021年 『日本プロ野球歌謡史 野球ソングスの時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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