アジア海人の思想と行動: 松浦党・からゆきさん・南進論者 (ネットワークの社会科学シリーズ)

著者 : 清水元

• エヌティティ出版 (1997年9月1日発売)

作品紹介・あらすじ

西海(長崎・佐賀)の人々の心は、海を通し常にアジアとつながってきた、近代国家が断ち切るまでは。土地=農民中心の日本史に対し「海人の思想史」を描く野心作。

感想・レビュー・書評

[spikyさんの感想 · 2015年9月25日]

改めて読み直してますが、大変に興味深い。戦後の我々はそもそも、戦前の日本人が当たり前のように学び、国民国家の民としての尊厳を育んだ大切な歴史すらも学ばなくなって久しいが、この本はさらにそのような我々日本の近現代史における、表立っては取り上げられることの少なかった、歴史の真実を垣間見せてくれる。この本は、無味乾燥な、あるいは語り古された、歴史に再び色を蘇らせてくれる。何度も読みたくなる本です。