- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872332353
感想・レビュー・書評
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『完全・犯罪捜査マニュアル』であって『完全犯罪の捜査マニュアル』ではないことに注意したい。
90年代末期オウム事件の頃までの、犯罪捜査についての内容。
いまの時代からすると古い情報も多いが、参考になる面が多く捜査員の事件解決への情熱自体は変わっていないのかも知れない。
まず初めに、サリン事件に対する膨大な捜査資料(しかも一部)に驚かされる。
公安がいかに危険視していたかが伝わってくる。
そして本編は主に捜査の方法に移る。
一つ一つの実際にあった具体的な事件を例に出すため読んでいて臨場感があった。
現場の観察にしてもそれぞれの捜査員が念入りに行なっていることがわかる。
昭和の事例が多くまだ科学捜査が現在のように発達してない頃だとは言え、過去の犯罪の膨大な資料また慰留品や犯人の性質や人間関係などを元に、かなり秩序だって捜査をしたり、網の目を徹底するように懸命の努力が取られることがわかった。
例を挙げるならば、自殺と他殺で首の吉川線や索溝に大きな違いがある点などだろうか。
言われてみたら当たり前だが、結局のところ犯罪捜査というのはそう言う当たり前のことをひとつひとつ積み重ねた努力と何物をも漏らさない眼の賜物だと知った。
尾行の方法についてもパターン付けがされていて面白い。
もちろん犯罪者側の見つからないための策も相当数が書かれており、言い方は悪いが面白いと思った。
行方不明者の事件性の判断基準についても明記されており、そのうちいくらかが闇に葬られた犯罪事件だと考えると恐ろしい。
これから犯罪をする人におすすめの本…というのは冗談で、
この本を読んでいると綿密な捜査のもと事件が解決していることがわかってくる。
むしろ犯罪者がこの本を読むことで思いとどまる可能性もある…かも。
昨今のニュースで事件を見ているとほとんどは解決している。
そしてそのほとんどが捜査員の涙ぐましい努力の結果だと分かった。
もちろん中には警察が踏み込めないタブーから来る未解決事件もあるらしいが…。
CSIシリーズなどの海外ドラマが好きな人にもオススメ。
ミステリ小説やサスペンスドラマを見るときに、この本の知識があるとまた一層楽しめると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。
この手の、事件ものって、当時よく読んだなあ。
データも過去の事件から引用されてて、よい。 -
警察で実際に扱った事件などが例として出ていて、非常に参考になります。<BR>警察が自殺と他殺で分けるのはどこか。例えばどんな事件の場合、どんなことから判明したのか。<BR>ここまでしっかりと書いてくれたのは嬉しいし、とても参考になります。<BR>警察がどのように調査をするのか。<BR>警察という秘密のベールを脱がしてくれるようで、すごく助かります。<BR>ミステリーを書こうと思っている人は是非読んでみて欲しい一品。<BR>かなりオススメ。