郵便集配人は二度銃を撃つ

著者 :
  • 郁朋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784873027838

作品紹介・あらすじ

第21回歴史浪漫文学賞優秀賞受賞後第1作
日本で初めて拳銃を所持した職業は─郵便集配人だった!!
明治のポストマンが遭遇する、汚職事件、ピストル強盗、人身売買……歴史上の人物も次々に登場し、混沌とした時代の光と闇を活写する!

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  • 明治4年に郵便事業が設立され、それに伴って有価証券や現金も集配人が扱うことになった。
    と同時に、金銭を目当てに集配人を襲う事件が起こるようになる。
    そのために、国は郵便集配人に拳銃を所持させ、いざという時のために集配人の命を守る事と犯罪の抑止効果を狙った。
    そのような混沌とした明治初期から中期の時代が舞台となっている。
    旧幕臣の主人公は、世捨て人の雰囲気を醸すニヒルな男、郵便集配人の藤丸喜三郎だ。
    明治維新後、要職は倒幕派出身者が占め、反政府側の元士族の多くは職にありつくのも一苦労の時代だった。
    なんとか郵便集配人の職にありついた喜三郎だが、出世欲などへの執着心などは全くなく、日々決められた仕事を淡々とこなす日々を続けている。
    喜三郎は武芸に秀でたものがあり、強い正義感を擁していたこともあって、世の理不尽さに目を瞑ることは難しい性格だった。
    そんな性格が災いしたのか功を奏したのか、喜三郎は市井のトラブルを捨ておけず、問題やトラブルに関わりを持ってしまう。
    その結果、何故か警視庁警部・東国英太郎から一方的に好意を示され、事件の解決の度に酒瓶をぶら下げて喜三郎の一人住まいの長屋を訪れるのだ。
    この二人の不思議な関係は、全編に引き継がれている。
    4編の物語は、汚職事件、ピストル強盗、殺人事件、人身売買、そして歴史上の有名人物も絡みながら喜三郎が活躍する内容となっている。

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著者プロフィール

1953年、東京生まれ。早稲田大学卒。
33年間、埼玉県で公立学校の国語教師を勤める。
江戸の文芸・絵画をやさしく解説した『江戸のユーモア』(近代文芸社)、幕末の浮世絵師を描いた『反骨の江戸っ子絵師 小説・歌川国芳』(文芸社)、若き日の浮世絵師の夢と挫折を描いた『喜多川歌麿青春画譜』(同)など著書多数。
2021年、『春信あけぼの冊子』(筆名:竹里十郎)にて第21回歴史浪漫文学賞・創作部門優秀賞(1編)を受賞し、『鈴木春信 あけぼの冊子』と改題し、郁朋社より出版。

「2023年 『郵便集配人は二度銃を撃つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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