危機に立ち向かう覚悟 - 次世代へのメッセージ

  • 化学工業日報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784873266213

作品紹介・あらすじ

哲人経営者と気鋭の歴史学者が熱く語った、日本再生をめざすすべての人へのメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • 化学産業についてはまた別途学ぶ必要があるが、広くビジネスマンを志す若者へのメッセージという観点では良著なのではと拝察。10年前に書かれた本にも関わらず、タイミングよく目下の自分の状況に即して勉強になるようなポイントが多くて驚き。
    アメリカンドリーム的な丸の内一丁目一番地、ユダヤ人の土地を離れても最後はメシアの思想に戻ってくる強さ利己主義及び大和魂との対比、シェール革命後の排出権取引議論の熱の急速な冷め具合、原発後も革命的なデモの起きない日本、などなど、一つ一つの議論と言葉にインパクトがある印象。

    やはり業界トップの方々の儲けることを前提とする鋭いビジネス目線に追いつこうとすればなかなか大変と改めて実感。

  • 「化学産業の時代」で日本の化学メーカーが目指すべきモデルを提示した橘川教授と小林社長の対談。小林さんの話は社内文書でよく見るのだがまあだいたい同じ路線です。

    橘川さんは化学産業の時代でも書かれていたボリュームゾーンと高付加価値品の二正面作戦をやるしかないのではないかと言われてますが。今の所これを上手くできてるのは信越化学くらいですね。またプロセスも含めたすりあわせ型の強みは残るとしても単なる装置産業ではいずれキャッチアップされるので「ものづくり」の範囲を拡げていかないとイノヴェーションはなかなか起こせないと。iphoneですら普及すると陳腐化するけどitunesと言う儲かる仕組みは残る、そんな感じの理解ですがなかなか起こせないのがイノヴェーションではあります。「頭脳の匠」となかなか上手い表現がでています。

    化学業界の話は置いとくとしていくつか。

    日本人も和僑としてある程度海外に出ざるを得ない。でもユダヤ人や華僑、印僑のようにドライにはなれないのであればMBA路線だけではなくお人好しな日本人と言われてもなんだかんだ言っても信頼される部分が強みになるのかも。その中でも武器は必要でそれがテクノロジーじゃないか。

    Think!がポイント。確かに中国にいても感じるのはインスタントな結論に飛びつく傾向の強さ。仮説を立ててこうだと言うのはいいけどその後の検証が弱い。PDCAで言うとPD終了って感じ。まあ日本もえらそうなことは言えないです。囲碁もいっしょですね、第一感に身を任せたくなるけどそこを我慢して読み続ける。読みが切れると簡単に負けることがあるから。後は限られた時間をどう配分して答えのでないことを決断するか。

    40代社員と社内ビジネススクールをやって議論すると「みんないい子」。「いやな奴」がいない。橘川先生も若者より40代が問題かもと。なかなか痛いことを言ってくれてますw

    「がけっぷち」スラムダンクじゃないけどどれだけの人がそう本気で思ってあがけるかかも。
    I will survive 。。。 

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著者プロフィール

1946年生まれ。71年東京大学大学院理学系研究科相関理化学専攻修士課程修了。ヘブライ大学、ピサ大学留学後、74年三菱化成工業(現・三菱ケミカル)入社。96年三菱化学メディア取締役社長、2007年三菱ケミカルホールディングス取締役社長を経て、15年より同取締役会長。15年度より経済同友会代表幹事。理学博士

「2019年 『危機感なき茹でガエル日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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