我らの時代のための哲学史: トーマス・クーン/冷戦保守思想としてのパラダイム論
- 海鳴社 (2010年1月1日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (684ページ)
- / ISBN・EAN: 9784875252634
作品紹介・あらすじ
■ギリシャ以来の西洋哲学の総決算。学問することの意味を問いかけ、現代の知的生産の在りようを批判した問題作。■クーンが戦後の代表的な保守思想家だったという本書の議論は、天地をひっくり返すような主張であろう。クーンの議論を科学革命に着目するかパラダイムに着目するかで、正反対の解釈を与え得るのである。■大きな影響を受けたのは、人文・社会科学の分野だった。パラダイム論はそこでは、旧来の伝統的な考え方を転覆するために大歓迎された。そして事実、多くの理論的な貢献が産み出された。■人文・社会科学は、既存の価値を批判的に吟味することを本領とするはずだ。にもかかわらず、自然科学を真似て、研究者が共有するパラダイムにこだわることは、本末転倒ではないか。パラダイムは、批判を受け付けない理論の枠組みとして構想されたのだ。生来イデオロギー的性格を持つべき分野の場合、批判を受けることがないパラダイムを前提とすることは、自殺行為になりかねない。