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- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784876361083
感想・レビュー・書評
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本書は、日本と朝鮮問題を扱ったいわゆる「左派」の本であると思う。
現在でも、韓国や中国とは「歴史問題」での軋轢がしばしば噴出するが、このような問題は「政治問題化」するだけあって「左・右」の意見が鋭く対立している場合が多い。
本書は、一貫して「日本の朝鮮侵略」という厳しい視点から「日清・日露戦争」をはじめとした日本の歴史を考察しているが、「政治問題化」している課題である以上、本書の主張をすとんと飲み込めれる読者は限られるのではないかと思った。
「韓国併合」や「日清戦争・日露戦争」の性格への評価は、本書では「侵略」と一貫しているが、そうスッキリ結論づけていいものかどうか。
日本において、歴史問題の評価は簡単に結論づけられるほど国民の意識はいまだ成熟していないのではないだろうかと考えてしまった。
本書は、歴史問題のひとつの視点を知るという点は、評価できるかもしれないが、もっと幅広い考察が必要なのではないかとも思えた。
それにしても、日本は東アジアにおいて「日清戦争」「日露戦争」「韓国併合」「満州国建国」「帝国の破綻」と凄まじい冒険と挑戦の歴史を歩んできたものである。
現在の平和ボケしている日本人が過去におこなったとは信じられないほどである。
本書を読んで、これらの歴史を日本人自身が冷静に評価できるようになるには、まだまだ時間がかかるということだろうかとも思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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