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- Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877144340
作品紹介・あらすじ
過ぎ去らない記憶との邂逅。不本意な生を強いるのは何ものか-90年代の代表作13篇。
感想・レビュー・書評
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90年代発表の13篇を収録、芥川賞作「水滴」を含む。吉田知子ばりのシュールで不気味な描写は、人が隠し持つドロリと粘つく心の闇を暴きだす。沖縄の戦争の傷跡は今も人々の魂の奥底に、那覇の街の喧騒に、抜けるように青い海と空と木々のあわいに潜んでいる。遣る瀬無い思いに駆られながらも、人との心の繋がりにやさしい光を当てる眩いコントラストが目に染みる。特に、少年とブラジル移民帰りの老人との交流を通し、戦争が齎した老人の心の傷を数多の蝶が舞い踊る幻想的描写で見事に鎮魂した「ブラジルおじいの酒」は涙なしには読めない珠玉の傑作。
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