赤い椰子の葉 (目取真俊短篇小説選集2)

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  • 影書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877144340

作品紹介・あらすじ

過ぎ去らない記憶との邂逅。不本意な生を強いるのは何ものか-90年代の代表作13篇。

感想・レビュー・書評

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  • 90年代発表の13篇を収録、芥川賞作「水滴」を含む。吉田知子ばりのシュールで不気味な描写は、人が隠し持つドロリと粘つく心の闇を暴きだす。沖縄の戦争の傷跡は今も人々の魂の奥底に、那覇の街の喧騒に、抜けるように青い海と空と木々のあわいに潜んでいる。遣る瀬無い思いに駆られながらも、人との心の繋がりにやさしい光を当てる眩いコントラストが目に染みる。特に、少年とブラジル移民帰りの老人との交流を通し、戦争が齎した老人の心の傷を数多の蝶が舞い踊る幻想的描写で見事に鎮魂した「ブラジルおじいの酒」は涙なしには読めない珠玉の傑作。

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著者プロフィール

1960年、沖縄県今帰仁村生まれ。琉球大学法文学部卒。
1983年「魚群記」で第11回琉球新報短編小説賞受賞。1986年「平和通りと名付けられた街を歩いて」で第12回新沖縄文学賞受賞。1997年「水滴」で第117回芥川賞受賞。2000年「魂込め(まぶいぐみ)」で第4回木山捷平文学賞、第26回川端康成文学賞受賞。
著書:(小説)『目取真俊短篇小説選集』全3巻〔第1巻『魚群記』、第2巻『赤い椰子の葉』、第3巻『面影と連れて(うむかじとぅちりてぃ)』〕、『眼の奥の森』、『虹の鳥』、『平和通りと名付けられた街を歩いて』(以上、影書房)、『風音』(リトルモア)、『群蝶の木』、『魂込め』(以上、朝日新聞社)、『水滴』(文藝春秋)ほか。
(評論集)『ヤンバルの深き森と海より』(影書房)、『沖縄「戦後」ゼロ年』(日本放送出版協会)、『沖縄/地を読む 時を見る』、『沖縄/草の声・根の意志』(以上、世織書房)ほか。
(共著)『沖縄と国家』(角川新書、辺見庸との共著)ほか。
ブログ「海鳴りの島から」:http://blog.goo.ne.jp/awamori777

「2023年 『魂魄の道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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