「韓国からの通信」の時代―韓国・危機の15年を日韓のジャーナリズムはいかにたたかったか

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  • 影書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877144753

作品紹介・あらすじ

1972年10月、朴正熙大統領は国会を解散して全国に非常戒厳令を宣布、大学を休校にし、新聞・通信は事前検閲の下に置くことを告げた。さらに「維新憲法」を公布し、「一人独裁の半永久的体制」をもくろんだ。
この「十月維新」体制から、1987年全斗煥政権下の「6月抗争」に至るまでの、およそ15年におよぶ軍事独裁政権の時代、韓国の学生・キリスト者・市民は、自由と民主主義を求めて、各地で多くの犠牲を出しながらも、不屈のたたかいを続けた。
メディアは、政権批判はおろか抵抗運動の報道すらできなくなったが、たえかねた『東亜日報』記者たちは「自由言論実践宣言」を発表、外部干渉と機関員の出入り等を拒否する。また政府の圧力による広告一斉引き上げという弾圧に対しては「白紙広告」で対抗するなど、一進一退を繰り返しながらも、メディアも“民主争取"のたたかいに参画していった。
また、『朝日新聞』など日本のメディアも、金大中拉致事件や民主化運動の動静を詳しく報じ、韓国メディアの沈黙を補う役割を担い、隣国の痛みに「共感をもって参与」した。
当時“T・K生”の筆名で韓国内の政治・民主化運動の情勢を『世界』(岩波書店)誌上でレポートし、韓国国外から運動を支えた著者が、同時代の『東亜日報』(韓国全国紙)・「韓国からの通信」(『世界』連載)・『朝日新聞』(日本)の3紙誌を再読・整理し直し、「韓国民主化の時代」を詳らかに再現する。

感想・レビュー・書評

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    読んだのは岩波新書「韓国からの通信」1972.11~1974.6
    で続編もあるようだ。図書館からの借り出し。
    自分の青年時代に隣国でこれほどのことがあったとは。韓国の人々の苦しみに対して、今も昔も我が国にも大きな責任があることに申し訳なく思う。
    それにしても強い人たちだ。
    池明観さん、岩波書店、ありがとう。

  • 東2法経図・開架 221.07A/C41k//K

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著者プロフィール

1924年生まれ。ソウル大学で宗教哲学を専攻。朴軍事政権下、月刊『思想界』主幹。1972年来日。東京大学大学院での研究を経て、1993年帰国まで東京女子大学教授。帰国後は、日韓共同歴史研究委員会韓国側座長、韓日文化交流政策諮問委員長、翰林大学日本学研究所長などの要職を歴任、日韓交流の礎を築いた。
主な著作『池明観自伝境界線を超える旅』(岩波書店)、『T・K生の時代と「いま」――東アジアの平和と共存への道』(一葉社)、『ものがたり朝鮮の歴史』(明石書店)、『韓国近現代史――1905年から現代まで』(明石書店)、『増補版・韓国文化史』(明石書店)

「2011年 『叙情と愛国 韓国からみた近代日本の詩歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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