自信―エマソンの『経験』と『自己信頼』新訳

  • 興陽館
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877232245

作品紹介・あらすじ

先延ばしにしたり、他の誰かと比べたり、空頼みをしたりせず、自分のいる場所で、たとえ実際の仲間や環境がどれほどつまらなく嫌気のさすものであってもそれを受け入れて、この一瞬一瞬を生きる。

宮沢賢治、ソローからアメリカ大統領のトランプ、オバマまで愛読し、座右の銘とした魂のメッセージ。新訳!

トランプ大統領がツイートした「自分に最高の自信がつく」メッセージ!

感想・レビュー・書評

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  • 我々を取り巻くこの広くて大きな社会にも、新しい個性はほとんど見出だせない。大抵のことはただの習慣や考えの浅さから出た行為である。本音を言う人もごくわずかしかいない。たとえ意見を言う人がいたとしても、その人が特別な変わり者だと思われるだけで我々の変化のない日常に一石を投じるには至らない。

    人が一旦科学の罠にはまると物理的必然性を無視してものを考えることが出来なくなる。このような胚からはこのような発達が見込めるという考えから離れられなくなってしまう。こうした考え方をしているとすべての認識の起源は五感の感覚にあるという感覚論に傾かざるを得ない。感覚論の檻の中で生きるはめになった人は、やがて自殺する。

    あらゆる知性の中には決して閉ざされることのない扉があり、創造力はその扉をくぐり抜けて現れる。

    成功する人のどこが優れているかと言うと、自分が輝く時と場所を巧みに選んでいることである。

    どんな瞬間にも我々には果たすべき務めがある。

    我々がすでによく知っている因果関係から計算できる世界に安住し続けるのはいともたやすい。

    機械的な因果関係の中に安住しない人間にとって人生は驚きの連続だが、そうでなければ生まれてくる価値も、生きる価値もないだろう。

    成功したいなら考えすぎてはいけない。

    どんな人もこの世に生を受けるまでは存在しなかったように、どんなものもその成功を目にするまでは不可能だと考えられている。

    意識は限界のない、生命を超えた生命である。

    ある行為がどんな感情から出たものかによって、その行為の尊さが決まる。自分が何をし、何をしなかったかではなく、何のためにそれをしたのか、あるいはしなかったのかということを常に問わねばならない。

    「氣を養い、これを損なわないようにすれば氣は天と地の間の空間を満たす。氣は決して不足するということはない」孟子

    精神にはそれ自体に十分な力があり、直接影響を及ぼすことができる。魅力ある人々は皆、自分のよさを自分でわかってさえいれば他人から称賛されなくてもいいと考えている。

    行為が及ぼす影響は距離で測れるものではない。

    人から天才と呼ばれている人は自分の心が正しいと感じることは他のすべての人にとっても正しいことで真理だと信じている。だからこそ堂々と自分の心を言葉にできる。

    モーセやプラトン、そしてミルトンといった天才たちが圧倒的に他の人よりも優れている理由の1つには、書物や古くからある伝統に寄りかからなかったこと、他の誰でもない自分の心の声を口に出してはっきり語ったことにある。

    自分にとって意味を失った慣習に従ってはならない。それは力の無駄使いである。時間が奪われ、自分がどういう人間かわからなくなる。

    自分の心の声に従って生きるがよい。もしそれが悪魔の声であれば、悪魔に従って生きるまでである。

    我々を自己信頼から遠ざける1つの原因は、一貫性を守るため昔の言動にしがみつくことである。だが、これまでに色々な場所で話した内容と少しも矛盾しないように記憶の名残を引きずって歩く必要はない。

    くだらない一貫性は小心から生まれるお化けのようなものであり、取るに足りない政治家や哲学者、神学者がありがたがるものにすぎない。偉大な魂は一貫性とは何の関わりもない。

    今考えていることを断固とした言葉で語り、明日には明日考えていることを断固とした言葉で語るといい。

    理屈などかなぐり捨ててゆけばよい。

    ソクラテス、イエス、ルター、コペルニクス、ガリレオ、ニュートン、そしてこの世に生を受けた純粋で聡明な魂はみな誤解された。偉大であることは、誤解されるということである。

    自分の考えに従って行動すること。偉大さは未来に影響を与える力がある。

    将来こんなふうになりたいと思うのであれば、今そうならなければならない。

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著者プロフィール

19世紀アメリカの哲学者・思想家・文学者・詩人。

8歳の時に牧師の父を亡くし、貧困と病に苛まれながらも14歳でハーバード大学に入学。26歳で牧師になるも、因習にとらわれた教会制度を批判し、職を辞する。29歳から自分を信じよりよく生きることを世に発信するべく講演や執筆活動をはじめる。

プラトンやカント、東洋思想の影響を受けて著したエッセー『自己信頼』は世紀を超えて読まれる世界的名著として、ソローやニーチェ、福沢諭吉や宮沢賢治に影響を与え、バラク・オバマ第44代米国大統領も愛読書として挙げている。
1882年没。

「2018年 『自信』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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