ゴーマニズム宣言 2 (幻冬舎文庫 こ 2-6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877287115

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  • 扶桑社の『SPA!』誌に平成五年4月14日号から同年7月28日号まで連載された分、第49章から62章までを書籍化。実はこの間に掲載されなかった一章がある。それが「カバ焼きの日」で、物議を醸すことを恐れた『SPA!』誌がボツにしたのだ。その辺は第62章で少し触れている。結局この章はあの『ガロ』に持ち込まれ、後に掲載される。

    本巻から現在と同じく一章分が8ページとなる。この頃は何かひとつのテーマを追うというのではなく時事ネタが中心である。ニュースや身近な出来事などから社会や政治、国際情勢にゴーマンをかますというスタイル。今よりはるかにギャグテイストが色濃く、エロ描写もふんだん。こうしてみると硬い雑誌の『SAPIO』に移ってから随分と品が良くなったってことか。それでも現在の作者の思想の原点は垣間見える。扱っている時事ネタは金丸信の脱税、NHKスペシャルでのやらせ、英才教育の是非、統一協会による霊感商法と芸能人信者の脱洗脳騒ぎ、カンボジアへのPKO派遣問題と日本人国際ボランティア射殺事件、政治改革、ヘア解禁などなど多岐にわたる。懐かしいですな。

  • 早くも第2巻目にしてこちらの期待するゴーマニズム宣言が出来上がっている。

    第1巻は『ゴー宣』のみならずそのパイロット版でもある「おこっちゃまくん」が挿入されており、よしりんファンには貴重なコレクターズ・アイテムになろうが、純粋に『ゴー宣』を愉しみたい私にしては一貫性のない、世に流通する今までの発表原稿を纏めただけの散漫なエッセイという感がしないでもなかった。

    本巻に於いて特に胸を打ったのは第55章。宗教に食い潰された者の熟れの果てを見た。

  • 「ゴーマニズム宣言」といえば、オウム真理教との戦いや薬害HIV訴訟へのかかわりといったことがよく知られていますが、本巻では金丸信の汚職事件やテレビのドキュメンタリー番組におけるやらせ事件、霊感商法やヘア・ヌード写真集の流行など、さまざまな事件に著者がゴーマンに意見を申し述べています。

    途中に「けんきょかましてよかですか?」というコーナーが置かれて、保守の立場を積極的にえらびとった後年の著者の立場から、この当時の考えかたの甘さを著者みずから批判することがおこなわれているのですが、その後さらに著者がAKBオタクになったことを思うと、当時の芸能界におけるプロフェッショナリズムの欠如を批判していたこの当時の著者からずいぶん遠いところまで行ってしまったのだなあと、なんだか感慨に耽ってしまいました。

  • 図書館の本

    内容(「BOOK」データベースより)
    はっきり自分の考えを言うと、なんでこんなにおどし脅迫が来るのだ!?(第四十九章「絶対個の彼方へ」より)―第二巻で「ゴー宣」はいよいよ「戦記」の様相を呈してくる。宗教団体、論壇、マスメディア、政界、国際問題…小林よしのり物言うところ必ず摩擦がおき、本質があぶりだされる。論理と情念が全開する、狂気のスラプスティック。

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著者プロフィール

1953年8月31日生まれ。1975年、福岡大学在学中に初めて描いた漫画『東大一直線』が赤塚賞の最終候補で落選するが、雑誌に掲載され、大ヒットとなる。『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』など話題作多数。
●主な著書
『新ゴーマニズム宣言10』(2001、小学館)、『新・ゴーマニズム宣言Special 台湾論』(2000、小学館)、『新・ゴーマニズム宣言Special「個と公」論』(2000、幻冬舎)、『ゴーマニズム宣言9』(2000、幻冬舎)、『朝日新聞の正義』(共著、1999、小学館)、『自虐でやんす。』(1999、幻冬舎)、『国家と戦争』(共著、1999、飛鳥新社)、『子どもは待ってる! 親の出番』(共著、1999、黙出版)、『ゴーマニズム宣言 差別論スペシャル』(1998、幻冬舎)、『 知のハルマゲドン』(共著、1998、幻冬舎)、『ゴーマニズム思想講座 正義・戦争・国家論』(共著、径書房)、『教科書が教えかねない自虐』(共著、1997、ぶんか社)、『小林よしのりのゴーマンガ大事典』(1997、幻冬舎)、『小林よしのりの異常天才図鑑』(1997、幻冬舎)

「1997年 『ゴーマニスト大パーティー3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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