族長たちの墓碑銘: 古事記誕生史話

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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784878931901

感想・レビュー・書評

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  • 古事記日本書紀成立の過程や理由についての研究本です。
    目次だけ読むとすごーく面白そうな本なのですが、構成が紛らわしく、どこからが推論なのかがよくわからないし、実際に読むと私には難しくって読み終えるのに大変苦労しました・・・睡魔が・・・

    この本で著者は、日本書紀は聖徳太子が大王家(天皇家)の位置づけに執着した結果つくられたものであり、古事記は、蘇我馬子が日本を作り上げたのは本貫在地の氏族たちだったとのこだわりから、族長達の功績を前面に押し出したつくりになったということを主張されています。
    太子が大王家の位置づけに執着した理由を、外交問題を絡めて説明してくれたところまではわかったのだけど、肝心の馬子の編纂意図がよく理解出来ず・・・とその前に、神話の意味についてもわからなかったー。以前古事記の解説本を読んだときにギモンに思ったのが、スサノオに代表される神々の素行の悪さ。神なのに暴れるし殺すし騙すし、古代の神は私の理解の枠を超えた存在でした。なぜそんな神なのか、そうした理由についてのしっくりとくる回答がみつけられず、見つけられない私が悪いのだけど、消化不良です・・・

    ちなみに、本筋とは関係ないんだけど。。
    物部は軍事を、蘇我は文化経済を、中臣は祭祀をつかさどるとかって有名だけど、膳氏が食糧品の調達と管理を任されていたって初めて知りました~。しかもそのためにわざわざ後から作られた氏族なんですって!もっと言うと、
    葛城・巨勢・蘇我など(臣姓)は本地を代々継承している豪族のことで、天皇が畿内を征服する以前からの族長(部族国家の長)であり、
    連姓には、中臣・犬養・弓削などがいて、これはそれぞれの職種によって、天皇に奉仕する隷属的な家系で、その身分は朝廷権力に強く拘束されている。(上記の膳もね)
    だから、物部や大伴のような有力豪族がいくら成長しても、蘇我氏のように天皇の外戚になれないそうです!なるほど~

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